価値のない雑音に、耳を傾けることが億劫だった。 毎夜話す内容は変わらずリピートばかり。聞いているだけで、この場にいるだけで汚染されてしまいそうだった。 耳半分に、ふと落とした視線の中。膝の上で、震える握り拳が映り込む。……今はもう、ぬくもりを思い出すことはできない。 あの時の精一杯を、もう少し頑張っていれば、こんなことになっていなかったのだろうか。 「――……ごめんなさい」 願わくば。あの人がどこかで、幸せに笑っていますように。