『あ゛あー、あたたたたたたたたたたたたたたあぁーっ!』
刹那、某格闘家の技が炸裂。
油断しきっていた不良のHPは、ひゅ――んっと一気にゼロになった。
『……ふっ。またつまらぬ秘孔を突いてしまった』
パンッパンッと手を叩いた女は、超ドヤ顔で何かと何かが混ざった決め台詞を吐いた。
『は、はああ!? お、おい! お前、何者だ!』
『おい、なんだよこの女! めちゃくちゃ強えー……!』
『いやいや! それ食らったら死んじゃうヤツだから! しかもちゃんと心構えしてなかったから、“あべし”って言えなくて一生後悔するヤツー!』
『しかも決め台詞、五○門さんのだからそれ。混じっちゃってるからそれ!』
『すっ、すっげ~! おれ! 本物生で初めて見た!』
『『『当たり前だ!』』』
『つかホンモノじゃねえから!』
どうやら向こうのレベルも同じようなものみたいだ。
……何のか? そりゃもちろん、おバカ具合の話。
『あんたたち……』
ゆらり、と。体を動かしながら急に話しはじめた変な女に、本気でビビりまくっていた不良たちはビクッ! と大きく肩を震わせた。
『こんな…………こんな! めちゃくちゃ可愛い少年から喝上げしようだなんて!! たとえお天道様が許そうとも、この、桜吹雪のあっちゃんが許さない! 月に代わってお仕置きしてやるんだってばよっ!!』
『だから! なんかいろいろ混じってるからそれっ!』
『特に、セーラー服と忍者服着てるヤツ!!』
『おおー。すげえ~……』
さっきの技を見てから、若干名尊敬の眼差しを向けている気がしなくもないが。
『くそ!マジで変な奴来たー……。……っ、お前ら! やっちまえ!!』
不良たちは、心の中では嫌だな~と思いながらも、勇気を出してその変な女に一斉に殴りかかっていったのだった――――……。



