すべてはあの花のために①


「あたしは、お父さんとお母さんが増えたみたいで、すっごくすっごく嬉しいです! あたしを産んでくれて本当に感謝してます。あなた方がいたから、あたしはお父さんとお母さんに会えました。幼馴染みも三人もできて、その後もたくさんの友達ができました! あたしのことを思って、ここまで来てくれたこと、本当にとっても嬉しいです。……でも、あたしのお父さんとお母さんはこの人たちだけなんです。ここまで、たくさんの愛情を注いでくれました。ここまで、あたしのことを立派に育ててくれました。あたしが、心からお父さんお母さんって呼べるのはこの二人だけなんです」


「だから」と彼女は続ける。


「お二人はあたしにとって、産んでくれたかけがえのない人たちです! もし、あたしに会いたくなったら是非会いに来てくださいっ。あたしも、会いたくなったり……あ! もしかしたら家出したくなるかもしれないから、その時は笑顔で迎えてくださいねっ?」


 愛しい娘は言った。『また会ってください』と。


「(そうか、この子も前へ進んだんだね)」


 そう言うと、目の前にいる二人は「もちろんっ!」とびっきりの笑顔で、そう返していた。


「お二人さえよければ、是非桜庭家にも遊びにいらしてくださいね。あたしも、夫と喧嘩したらそちらにお邪魔させていただこうと思いますので」

「え? 喧嘩する前提?」

「違います。喧嘩するのが前提じゃなくって、彼らのところに遊びに行くのが前提ってことです」

「こ、こんなお母さんとお父さんですが、ぜひ仲良くしてあげてください!」


 キサがそんなことを言うもんだから、その場にいた全員が笑顔に。「それと!」と彼女がまた話す。


「こちらが、今日からあたしの旦那様になります、桐生杜真と言います」


 トーマのところへ行ってキサはそう説明をするが。


「――ぷっ」


 あははははーっ!

 誰かの小さな笑い声を皮切りに、キサ以外の全員が大爆笑し出す。
 一人取り残されたキサは「え? 何か変なこと言ったかな」と、戸惑いながら笑い続けている人の顔を見回していた。