「……ん。じゃあちょっと待ってろ」
離れたトーマは、扉の方へ歩いて行く。
「え? ……え?」
状況が全く掴めないキサは軽くパニックである。
「どうぞ、お入りください」
彼がそう言って扉を開けたところから部屋に入ってきたのは、どこか自分に似た雰囲気を持つ女性と、少々おどおどした男性。
「(……え。え?)」
もしかして。……もしかして。――もしかしてっ!
「お、おとうさんと、おかあさん……ですか?」
そう言うと、二人の顔がくしゃっと歪んだ。
「(やっぱりそうだ! ……そっかあ)」
キサは、そんな二人の前に行き、二人の手を取る。
「あたし、あなた方に言いたいことがあったんですっ!」
あたしを産んでくれてありがとう!
みんなに出会わせてくれてありがとう!
あたしを、今でも思ってここまで来てくれて、本当に本当に……ありがとう!
「あえて。ほんっとうにうれじい……!」
そう言いながら笑うキサの瞳からも、温かい涙が、綺麗に零れた。



