「それで? どうして連絡しなかったの。もしかして普段スマホそんなに使わない?」
「今まで持っていても、ほぼ相手からしか連絡はなかったので。生徒会に入るまでは、家に連絡も入れたことがないほどちゃんと帰っていましたし」
「逆になんで? 自分から連絡しようとか、普通に思うこととかあったでしょ」
「そういうものなんですか? わたし、今まで友達いなかったもので」
「……ごめん。無神経だった」
「え? いえいえ! 大丈夫ですよ!」
「もし君が本当に大丈夫だったとしても。何も知らないからってあんな言い方聞き方していいわけじゃない。だから、ごめん」
「……じゃあ、謝っていただいて、ありがとうございます」
なんだ。全然悪魔さんでも、魔王様でもないじゃないか。
そんな彼に、「でもですね!」と葵は笑顔で続ける。
「今は一気に、八人のお友達ができたんです! だから今はすごく幸せなんですよ!」
「……そう。それなら、よかったね?」
「はいっ。ちなみに、トーマさんともお友達になれたらいいなと思っているので、これから頑張ります!」
「……友達になるのに、君は何を頑張るの」
「そうですね。友達になるにはまず、相手に近付くことが必要だと思って――――!」
え。……え?
「わかった?」
「ええっ?」
言い終わる前に、彼が離していたはずの距離をぐっと詰めてくる。どっかであったな似た状況。
「……や、なんでそんな真っ赤」
「な、なぜでしょう……?」
いきなりこんな眼前にイケメンが入って来たら、そりゃ誰だって驚くでしょうよ。
目を泳がせまくっている葵にため息を吐き、トーマはすっと離れていった。
「えっと。もしかして、もうお友達ですか?」
「寧ろなんでそうじゃないと思うわけ」
「わあー! ほんとですか! 九人目ですっ! とっもだち十人でっきるかな~」
「はいはい」
「でも、どうしてもうお友達なんですか? わたしたち、さっき会ったばっかりなのに」
「はあああ」
こ、これまた大きなため息ですね。
「さっき、それはもう勝手に俺に近づいてきたの、君でしょう」
「おおおおおおおおおおおおおお!」
「気持ち悪い」
「す、すみません!」
「でも俺、変態はお断りなんで」
「ええええええええええええええええ?!」
「だから、気持ち悪い」
「(……しゅん)」
でも……そっか。
「わたし、ちゃんとトーマさんに近付けていたんですね。よかったあ」
「……前置き長くなり過ぎたけど、話すか」
「はい。よろしくお願いします!」



