桐生家へと移動中。
「なあ。ドロケイって、いつのプログラム?」
「えっと、最終日の13時を予定してるよ?」
「「13時かあ……」」
聞く話によると、どうやらキサちゃん。ものすごくドロケイがお好きのよう。
「だから早くに奪還して、あいつも一緒に参加させてやれねーかなって思ってたんだけど」
「それすごくいいと思う! さっさと奪還しちゃおう作戦でいこう!」
「でもあいつらの式、開始11時からなんだよなあ」
「「…………」」
三人は潔く、両手を合わせた。ごめんねキサちゃんと。
帰ったら生徒会メンバーで一緒にやろうという代案をこっそりと立て、葵たちは無事に桐生家の方たちと合流することに。
「(わお。これで本家じゃないの?)」
「いらっしゃい。待ってたよー」
「ちょっとの間振りねっ」
立派な屋敷に着いて早々出迎えてくれたのは、キサの父母。そして。
「皐月、お客さん?」
奥の方から聞こえたのは知らない男性の声。そして、サツキと呼ばれたのはキサの父だった。
「ああ棗。もう菊たちが来たんだよ」
「もう? どれだけやる気なのかしらこの子たちは」
「菖蒲さんもそう思う? 今頃慌てるならもっと早くに動いてくれたらいいのにねー」
そんなやりとりをしながら現れたのは、ナツメとアヤメと呼ばれた二人。恐らく彼らは、トーマの父母なのだろう。何がとは言わないが、そっくりだから。言葉の端々が。
「あら? 知らない女の子ね」
「もしかしてこの子が例の?」
「そうそう。オレをぶっ飛ばしてくれた奴」
「なんか、思っていた子と違ったわね?」
「ムッキムキマッチョの子を想像してたよねー」
うん。やっぱり親子だね。息子が息子なら親も親、と。
「まあまあ。玄関で立ち話もなんですから、中に入ってしっかり話しましょう」
「あ。申し遅れました、わたしは――」
「「変態さんでしょう?」」
「違いますからっ!」
後ろで腹を抱えて笑う面々。
あんたら、余計なこと教えやがったな!
「(秘密が秘密じゃなくなってやいないか?)」
どんどんバレていく葵であった。



