すべてはあの花のために①


 話を聞いていたキサの父ちゃんとチカは、何も言えないままただ俯いている。


「まあまあ、そんな沈みなさんな。話はここで終わりじゃないぞー?」


 けれど、二人はもう話が聞けそうになかった。


「(たく。ここからがいい話なのによう)」


 罰と言いながら、キサのことが好きなのは変わらず。しかも追い打ちをかけるように婚姻が早まって、高校卒業までちゃんとそばにいてやれなくなった。


「(それで、もうダメだって。諦めてたはず、なんだけどな)」


 何故こんなにも、彼女の言葉には力があるのだろうか。


「(……もしかして)」


 ある結論に至ったキクは、一人頭を抱えてしまった。


「(もしかして、あんたの願いにはオレなんかも入っちゃってんですか)」


 これはもう、奪還し終わったらお礼に行くっきゃねーわなと、頬を緩めた。