ダッ――……
彼女は彼らの方へ走り出す。
ダダッ………
一歩ずつ、しっかり踏みしめて。
――ダッ
彼の背中が目の前に来た、その時。
ドッスーンッ!
「こんの、ヘタレがああ!」
葵の跳び蹴りが、彼の背中に見事に命中。あまりにも綺麗に決まって、ちょっとスッキリ!
「「~~ってえなあ?!」」
しかし、どうやらもう一人もその犠牲になってしまったようで、顔や体中が砂だらけの彼らはめちゃくちゃキレていらっしゃいました。
「(す、すまないっ!)」
葵は怒り狂った彼らに内心ビビりながら心の中で何度も謝ったが、顔は至って真剣そのものだ。
「ねえ、キク先生」
そして彼女は言葉を投げつける。
「ちょいとわたしと、お話しましょうや」



