すべてはあの花のために①


「はいっ! 先生にいい案があります!」

「あっちゃん先生どうぞ!」

「ごちゃ混ぜはどうでしょう?」

「……どういうことだ」

「これは、あくまでもわたしの意見なんだけど、別に遊ぶ時まで分かれなくてもいいと思うんだよね」

「――! あっちゃん……」

「実際わたしは、いろんなクラスの子とお友達になりたいって思ってたから!」


 頷いているみんなの中で、キサは驚いた顔をしている。
 そしてヒナタは、さっきの答えがわかってしまったのか。静かに一人、俯いていた。


「(気にすることないのに)」


 落ち込ませたかったわけじゃない。
 気にしないでと、手を伸ばしたオレンジの髪は、思っていたよりもやわらかくて。嫌がることはなく、ただ俯いたままの彼の頭を、葵はしばらくの間撫でていた。


「クラスごとでさ、旅行に行くまでに二つに分かれておいてもらえばスムーズにいけると思うんだよね。時間制限を設けて、勝った方には豪華プレゼントみたいなのがあったらどうだろうか! わあ~大人数だね! 絶対ぐちゃってなるね! でも楽しそうっ」


 本当に楽しそうに意見を出す葵。その意見に賛成なのか、みんなも大きく頷いていた。

 そして、その勢いのままプレゼントの内容も決まり、後は行き先を決めるだけとなった。


 * * *


 その日の放課後。


「――わかりました。委員長さん、今日は忙しくさせてしまって、申し訳ありませんでした。オリエンテーションで二つに分かれていただくようになるので、それだけは新歓までにお願いします」

「いえいえ! そんなことは全然ありませんよ。クラスを分けるのも任せておいてください」

「ありがとうございます。助かります。……にしても、意外なところが人気が高そうですね」

「そうなんです。恐らくSクラスの生徒は、国外へはよく行っていると思うので、そのせいかと」

「成る程。灯台下暗し、というわけですね」

「え? それってちょっと違う気が……」

「ありがとうございました。明日には結果が出せると思うので、楽しみにしていてください」

「あ……は、はい。よろしくお願いします。道明寺先輩。僕たち、なんだかんだで楽しみにしてるので!」

「ご期待に添えるように、頑張らせていただきますね。それでは失礼します」


 葵は最後のクラスの結果をもらい、集計を取りに生徒会室へと向かった。