すべてはあの花のために①


「じゃあ、わたしたちがプランを一つずつ考えるのはどうだろう? その案を一年生の各クラスの委員長に伝えるんだ。今日の夕方にはクラスの一人一人の意見を聞いておいてもらって、放課後わたしが集計を取る! 各クラスへはわたしが回って聞いてくるよ。庶務だしっ」


「みなさんどうですか!」と葵が顔を向けるが、勢いがあり過ぎてみんな驚いている。


「(あれ。ダメだったかな?)他に提案ある人ー?」


 言ってはみるものの、みんなは首を振るばかりだ。


「ど、どうしたんだみんな? 何かあるなら言ってくれ!」

「……あんたさ」


 両手を拡げてそう訴えかけていたら、スマホ大好きなヒナタが言葉を零す。


「どうしてそんなに楽しそうなの」


 ……なんだ。そんなことか。
 てことは、そんなことでみんなは驚いているのか。


「それは、前にわたしは同じことを言ったのでもう言いませーん」


 だって、もう言っているんだ。
 こんなこと、今までなかったんだと。


「は? それってどういう」

「ところで、旅行先に着いたら何かするの? 出し物とか」

「ちょ。人の話を」

「それなら、軽くゲームを企画するつもりだ。それ以外は自由行動にする」

「成る程ねー。じゃあ、行きたいところは各々考えておくことにして。次は、オリエンテーションって言えばいいかな? それについて考えよっか」

「(……あんたあとで覚えとけよ)」

「(ひえぇ……っ!)」


 ものすごい殺気が飛んでくるが、


「(……な、なんだいなんだいっ。今回は負けないんだからな! わからないヒナタくんが悪いんだっ)」


 葵は負けじと、ぷいっとそっぽを向いた。葵のそんな態度に、ヒナタは「なんなの……」と口をとんがらせぼそぼそ呟いていた。



「はーいっ! オリエンテーションについて提案がありますあっちゃん先生っ!」

「はい! なんでしょうキサさん!」


 今までも元気がよかったけど……なんだろう。今までで一番楽しそうだ。


「ドロケイなんてどうでしょうか!」

「ふむ。ずいぶん古風ですね、キサさん」


 まず、お金持ち学校の生徒がそんな遊びを知っているなんて驚きだ。まあ、彼らならそれでもやっていそうな気がしなくもない。


「お前それ――」

「イイ! 先生はいいと思いますよ!」


 あれ? 今誰かと被った?


「でもきさチャン、100人くらいいるのにどうするの? するにしても、SABをどうわけるの?」


 ――! それなら!