すべてはあの花のために①


「……成る程。生徒会で勝手に決めたら、新入生の意見を全然聞いていないじゃないかと、そういうことだねあっちゃん先生?」

「その通りです。キサさん流石です。後でわたしが持っている飴ちゃんを……だから、アキラくんにはあげませんって」

「(まだ何も言ってないのに!)」

「それで、キサちゃんにオウリの聞き取り調査の意見にはどう思うかって聞いたんだよね? アオイ先生?」

「はい。その通りですカナデくん。……ですが、少し離れましょうか。腰に手を当てないでください。耳を攻撃するようなら、あなたは明日からこの学校には来られません」

「(昨日からの俺の扱い……っ)」

「うーん。あたしが思うに、桜李の案もいいと思うんだけど、もう時間ないよね? しかも、新入生だけで100人近くいるから、泊まるとことかもう大変なんじゃないの?」

「それは理事長がお金の力でなんとかしてくれるらしいよ」


 え? マジで? だからって、お金に頼るなよ!


「というのはほとんど冗談だ。理事長の伝があるから、宿泊の心配はしなくていいそうだ」


 いや、言い方変えても結局のところ似たり寄ったりじゃん?


「じゃあ、お前は何かいい案あんのかよ」


 なんだか、チカゼの声を久し振りに聞いた気がした。
 キサは、彼にやわらかい笑顔を向けていた。

 でも、それも一瞬。彼女はすでにいつもの表情だ。


「そんなの簡単! 多数決を取ればいいのよ!」

「……多数決?」


 いや、そんなに驚くことじゃないよね?
 今始めて聞きましたって顔してるんですけど。なんなんだ、ここの男共は。


「な、なんかあたし、間違ったこと言いましたかねあっちゃん先生」

「いいえ! キサさんの考えは素晴らしいです! わたしが今度手作りケーキを……だから、そんなキラキラした目で見てもアキラくんのはないから」

「(しゅん……)」

「(やっぱりアキラくん、なんか言うつもりだったな?)そもそも、昨日の時点で何故この案が出なかったのかが不思議でなりません。彼らはどうやら、わたしのツッコミが好きで好きでしょうがないようで――」

「違います!」
「(コクコク)」


 おう。息ぴったりやないかい。


「まあわたしから少し、キサさんの案に補足するならば、『ある程度候補を絞っておいて、どれかに投票してもらう』というのでどうでしょうか」


 皆、お互いの目を見ながら頷き合っている。決め方は、どうやら決まりそうだ。