「ちょっと! アンタなんであんな言い方したの!」
「あおいチャン……」
ツバサは葵を見下ろしながらそう責め立てる。アカネをはじめ他の人は、怪訝な顔で葵を見ていた。……一人を除いて。
葵は、目で合図を送る。
「(行って。諦めるな)」
「(さんきゅ)」
チカゼはさっと立ち上がり、急いで彼女のあとを追っていった。
「えっ、チカちゃん?」
カナデをはじめ、みんなはいきなり生徒会室から出て行った彼に驚きを隠せない。
「……さーてと! 今日はもう会議どころじゃないよね? 今日はお開きでいいかな、アキラくん」
「そうだな、また明日にしよう。でもあまり時間はないから、明日は朝から企画を詰めていくことにする」
「了解っ! それじゃあわたし、今日は帰るねー! お先に~」
そう言って葵も生徒会室を後にする。
葵の変わりように、残されたみんなは一体どうしたのだろうかと、顔を見合わせていた。



