ひとまず今は、会議に集中しよう。
葵とチカゼは頷き合い、話に参加することにした。
「その、旅行先ってどうやって決めるの?」
「そりゃお前、生徒会企画だからオレらで決めんだよ変態」
「(変態だと!? この間のヤワラちゃんの件みんなにチクんぞ? いいのかコラ)」
「(はあ? そんなん言ったら、お前がこの間ガチで変態だった時の話すんぞ? それこそいいんかコラ)」
「(はあ? わたしがいつ変態だったんだ!)」
「(うわ。自覚なしとか、一番やべえヤツじゃん)」
「(なんだとー!?)」
「……ねえねえ、かなチャン」
「ん? 何かなアカネくん」
「あの二人いつの間にあんなに仲良くなったの?」
「ほんとだねー。なんか目で会話してるねー」
「おれね、抜け駆けはよくないと思うんだ」
「俺も同意見だよ」
「おれらもきさチャンとひなクンに混ざってちかクンいじろっか」
「俺はツバサとアキもいじってるから、掛け持ちになるけど…………でも」
「「(俺(おれ)も目で会話したい!)」」
若干アカネから怖いオーラが駄々漏れてきている。多分、怒らせたらダメな部類。
普段があんなんだと、ちょっと怒っただけで周りへの影響力が半端ないんだもの。
「「(じー…………)」」
「(……? な、なんか、アカネくんとカナデくんがこっち見てるんだけど、どうしたんだろう。……! まさかわたしが変態なんじゃないかって疑ってるんじゃ)」
((いや、あんたもう変態じゃん))
「(なんだと?! しかもなんで疑問系じゃないんだ! 断定なんだあ……!)しくしく……」
急に泣き出した葵に、アカネとカナデはぎょっと驚いてしまうが、一体彼女に何が起こったのかはわからず。結果、目で会話する作戦は失敗に終わったのだった。



