すべてはあの花のために①


 ひとまず今は、会議に集中しよう。
 葵とチカゼは頷き合い、話に参加することにした。


「その、旅行先ってどうやって決めるの?」

「そりゃお前、生徒会企画だからオレらで決めんだよ変態」

「(変態だと!? この間のヤワラちゃんの件みんなにチクんぞ? いいのかコラ)」

「(はあ? そんなん言ったら、お前がこの間ガチで変態だった時の話すんぞ? それこそいいんかコラ)」

「(はあ? わたしがいつ変態だったんだ!)」

「(うわ。自覚なしとか、一番やべえヤツじゃん)」

「(なんだとー!?)」



「……ねえねえ、かなチャン」

「ん? 何かなアカネくん」

「あの二人いつの間にあんなに仲良くなったの?」

「ほんとだねー。なんか目で会話してるねー」

「おれね、抜け駆けはよくないと思うんだ」

「俺も同意見だよ」

「おれらもきさチャンとひなクンに混ざってちかクンいじろっか」

「俺はツバサとアキもいじってるから、掛け持ちになるけど…………でも」

「「(俺(おれ)も目で会話したい!)」」


 若干アカネから怖いオーラが駄々漏れてきている。多分、怒らせたらダメな部類。
 普段があんなんだと、ちょっと怒っただけで周りへの影響力が半端ないんだもの。


「「(じー…………)」」


「(……? な、なんか、アカネくんとカナデくんがこっち見てるんだけど、どうしたんだろう。……! まさかわたしが変態なんじゃないかって疑ってるんじゃ)」

((いや、あんたもう変態じゃん))

「(なんだと?! しかもなんで疑問系じゃないんだ! 断定なんだあ……!)しくしく……」


 急に泣き出した葵に、アカネとカナデはぎょっと驚いてしまうが、一体彼女に何が起こったのかはわからず。結果、目で会話する作戦は失敗に終わったのだった。