すべてはあの花のために①


「……よくわかりません! 説明を求めます!」

「はいっ! 任せてくださいっ!」


 すごい二人はノリノリだ。


「学校中に広めるつもりはないんだけど、“もし自分から外して相手に巻き付けたら……”って、今チカくんがした場合のジンクスも勝手に考えちゃおうよって話!」

「…………」

「例えば……そうだ! 自分が『そうなりたい』と思いながら相手に巻き付けたら、その思いが叶う! みたいな?」


「そしたらチカくんもやる気になるでしょ? どうよ?!」ってどや顔で葵は伝えるが、その提案を聞いていたチカゼは、途中から唖然としていた。
 だがしかし、まだまだ葵のマシンガントークは終わらない。「でもね」とさらに続ける。


「それには、チカくんがその誓いを成し遂げる必要があるよ? 成功したら、新しいジンクスとして本格的に付け加えることも視野に入れてもいいと思うけ……」


 葵は何かを思ったのか、だんだんと笑顔になる。


「いや! 絶対新しいジンクスに加わるね! わたしは確信している!」


「だって」そう言って葵は、彼のようにニカッと笑った。


「だってチカくんは、諦めないんだもん! だからこのジンクスは、新しく確立する! 間違いないッ!」


 チカゼは、しばらく驚いていた。開いた口が塞がっていない。


「(あ、あれ……?)」


 いいことを言ったと確信を持っている葵は、口を開けたまま固まってしまったチカゼを心配する。一向に動く気配がないので「お~い?」と名前を呼びながら彼の前で手を振る。


「…………」


 正気に戻ったみたいだが、彼は無言のまま考え込むように腕を組んでいた。


「(やっぱりジンクスとか言うの嫌だったかな……)」


 うーんと葵も悩んでいると、チカゼが「……お前、本気?」と聞いてきた。


「え? そりゃもちろんそうだけど……やっぱり、嫌だった?」

「嫌? いや、そういうわけじゃねーんだけどさ……」


 どうしたのか。彼の歯切れが悪い。