○カラオケ・個室
その時、扉がバーンと開く。
立っていたのはハル。
ハル「いた! 愛瑠!」
愛瑠「あなた、朝の……! なんでここに!?」
ハル「愛瑠の匂い追ってきたんだ。大丈夫? 怪我はない?」
と、愛瑠を抱きしめる。
愛瑠(えぇ〜!?)
チャラ男「おい。なに邪魔してくれてんだよ」
ハル「今いいとこだから邪魔しないでもらえる?」
チャラ男「あ?」
ハル「さ、行こ愛瑠」
ハルはチャラ男をスルーして愛瑠の肩を抱いて部屋を出ようとする。
しかしチャラ男も引き下がらない。
チャラ男「おい、舐めんなよクソガキ」
と、ハルの肩を掴む。
するとハルは愛瑠に話が聞こえないように愛瑠の両耳を手で塞ぐ。
愛瑠(え、なに?)
愛瑠には何も聞こえない。
ハル「(本気の声で)もう俺らの前に姿見せない方がいいよ。次会ったら俺、アンタのこと噛み殺しちゃうかも」
チャラ男「はっ……噛み殺すって。犬かよ」
と、冷や汗をかく。
ハル「こう見えて、結構凶暴な番犬なんで」
ハルはニヤッと笑って、愛瑠を連れて出て行く。
○帰り道
ハルにカラオケの外まで連れ出された愛瑠。
そのまま歩き出そうとするハルを止める。
愛瑠「待ってよ! なんでここにいるの!? 家にいてって言ったのに」
ハル「これ届けにきた」
ハルが桜の花びらのイヤリングを差し出す。
愛瑠「私のイヤリング……どこでこれを?」
ハル「ドレッサーの所に置いてあったんだ。これ愛瑠が大事にしてたから、なくしたら心配すると思って」
愛瑠「なんでそのこと……」
○(回想)愛瑠の家・愛瑠の部屋
愛瑠(16)がドレッサーの前でメイクをしている。
ハルはドレッサーの上にある桜のイヤリングに興味津々で鼻を近づける。
愛瑠「食べちゃダメだよ。見るだけね」
と、ハルに見せる。
ハル「ハッ、ハッ、ハッ」
ハルが舌を出して見つめる。
愛瑠「可愛いでしょ。ハルもこれ好き?」
ハル「ワンッ!」
愛瑠「ハルと言えば桜だもんね。だから一目惚れして買っちゃった」
愛瑠が耳につけるのを見守るハル。
(回想終了)
○帰り道
ハル「愛瑠が俺のことを知ってるように、俺も愛瑠のことたくさん知ってるよ。犬は飼い主のことよく見てるから」
愛瑠は目を丸くしてハルを見つめる。
愛瑠「ほんとにハル……なの?」
と、ハルの頭に手を伸ばす。
ハル「そう、俺だよ」
愛瑠の高さに合わせてハルは頭を下げ、愛瑠がハルの頭を撫でる。
愛瑠「助けに来てくれてありがとうね」
ハル「愛瑠が俺を助けてくれたあの日から、愛瑠のことは俺が一生守るって決めたから」
ドキドキした表情の愛瑠。
ハルが流れるようにさりげなく愛瑠にキスしようとして、愛瑠はすぐに我に返る。
愛瑠「(慌てて)ちょっちょっちょっ! ダメだから!」
と、ハルを引き剥がす。
ハル「ダメか〜」
愛瑠「何ちゃっかりしようとしてるの! それよりママが帰ってくる前に早く帰らないと」
歩き出した愛瑠を追いかけてハルが愛瑠の手を繋ぐ。
愛瑠「ちょっと……」
ハル「俺ね、もし人間になれたら、愛瑠とこうやって手繋いで散歩したかったんだ。だから夢が1つ叶った」
愛瑠は手を離そうとしていたが、嬉しそうに歩くハルの横顔を見てやめる。
愛瑠(これくらいならまぁいっか)
愛瑠は少し照れくさそうに小さく笑う。
○愛瑠の家・玄関(夕方)
愛瑠とハルが帰ってくると真理子の声が近づいてくる。
真理子の声「愛瑠ー?」
愛瑠は慌ててハルに2階へ行くよう促す。
愛瑠「た、ただいま!」
真理子「おかえり。ねぇ、愛瑠の部屋にハルいる? 今日全然姿が見えないのよ。いつもなら愛瑠が帰ってきたら走ってくるのに……」
真理子が心配そうな顔をする。
階段の途中で心苦しそうな顔をしなが会話を聞いているハル。
愛瑠(本当はすぐそこにいるんだけどね……)
愛瑠「……分かった。見てくるね。多分いると思うよ」
○愛瑠の家・愛瑠の部屋(夕方)
愛瑠(どうしよう……いっそ全部ママに話す? いや無理無理)
ハル「俺、真理子ママに本当のこと話してくる」
と、部屋を出ようとする。
愛瑠「ちょっと待って! こんなマンガみたいな話いきなりしても信じてもらえないよ!」
ハル「でも、あんなに心配してるくれてるのにほっとけない。俺にとっては真理子ママも大事な人だから」
愛瑠「ハル……」
ハルの覚悟を感じた愛瑠はそれ以上何も言えない。
その時、愛瑠の部屋をノックする音がする。
真理子の声「ねぇ、ハルいた? 入るよ」
部屋のドアがゆっくり開き始める。
愛瑠(私だけわがまま言うわけにはいかないよね)
愛瑠はハルの手を引っ張り、精一杯背伸びしてハルにキスをする。
その時、扉がバーンと開く。
立っていたのはハル。
ハル「いた! 愛瑠!」
愛瑠「あなた、朝の……! なんでここに!?」
ハル「愛瑠の匂い追ってきたんだ。大丈夫? 怪我はない?」
と、愛瑠を抱きしめる。
愛瑠(えぇ〜!?)
チャラ男「おい。なに邪魔してくれてんだよ」
ハル「今いいとこだから邪魔しないでもらえる?」
チャラ男「あ?」
ハル「さ、行こ愛瑠」
ハルはチャラ男をスルーして愛瑠の肩を抱いて部屋を出ようとする。
しかしチャラ男も引き下がらない。
チャラ男「おい、舐めんなよクソガキ」
と、ハルの肩を掴む。
するとハルは愛瑠に話が聞こえないように愛瑠の両耳を手で塞ぐ。
愛瑠(え、なに?)
愛瑠には何も聞こえない。
ハル「(本気の声で)もう俺らの前に姿見せない方がいいよ。次会ったら俺、アンタのこと噛み殺しちゃうかも」
チャラ男「はっ……噛み殺すって。犬かよ」
と、冷や汗をかく。
ハル「こう見えて、結構凶暴な番犬なんで」
ハルはニヤッと笑って、愛瑠を連れて出て行く。
○帰り道
ハルにカラオケの外まで連れ出された愛瑠。
そのまま歩き出そうとするハルを止める。
愛瑠「待ってよ! なんでここにいるの!? 家にいてって言ったのに」
ハル「これ届けにきた」
ハルが桜の花びらのイヤリングを差し出す。
愛瑠「私のイヤリング……どこでこれを?」
ハル「ドレッサーの所に置いてあったんだ。これ愛瑠が大事にしてたから、なくしたら心配すると思って」
愛瑠「なんでそのこと……」
○(回想)愛瑠の家・愛瑠の部屋
愛瑠(16)がドレッサーの前でメイクをしている。
ハルはドレッサーの上にある桜のイヤリングに興味津々で鼻を近づける。
愛瑠「食べちゃダメだよ。見るだけね」
と、ハルに見せる。
ハル「ハッ、ハッ、ハッ」
ハルが舌を出して見つめる。
愛瑠「可愛いでしょ。ハルもこれ好き?」
ハル「ワンッ!」
愛瑠「ハルと言えば桜だもんね。だから一目惚れして買っちゃった」
愛瑠が耳につけるのを見守るハル。
(回想終了)
○帰り道
ハル「愛瑠が俺のことを知ってるように、俺も愛瑠のことたくさん知ってるよ。犬は飼い主のことよく見てるから」
愛瑠は目を丸くしてハルを見つめる。
愛瑠「ほんとにハル……なの?」
と、ハルの頭に手を伸ばす。
ハル「そう、俺だよ」
愛瑠の高さに合わせてハルは頭を下げ、愛瑠がハルの頭を撫でる。
愛瑠「助けに来てくれてありがとうね」
ハル「愛瑠が俺を助けてくれたあの日から、愛瑠のことは俺が一生守るって決めたから」
ドキドキした表情の愛瑠。
ハルが流れるようにさりげなく愛瑠にキスしようとして、愛瑠はすぐに我に返る。
愛瑠「(慌てて)ちょっちょっちょっ! ダメだから!」
と、ハルを引き剥がす。
ハル「ダメか〜」
愛瑠「何ちゃっかりしようとしてるの! それよりママが帰ってくる前に早く帰らないと」
歩き出した愛瑠を追いかけてハルが愛瑠の手を繋ぐ。
愛瑠「ちょっと……」
ハル「俺ね、もし人間になれたら、愛瑠とこうやって手繋いで散歩したかったんだ。だから夢が1つ叶った」
愛瑠は手を離そうとしていたが、嬉しそうに歩くハルの横顔を見てやめる。
愛瑠(これくらいならまぁいっか)
愛瑠は少し照れくさそうに小さく笑う。
○愛瑠の家・玄関(夕方)
愛瑠とハルが帰ってくると真理子の声が近づいてくる。
真理子の声「愛瑠ー?」
愛瑠は慌ててハルに2階へ行くよう促す。
愛瑠「た、ただいま!」
真理子「おかえり。ねぇ、愛瑠の部屋にハルいる? 今日全然姿が見えないのよ。いつもなら愛瑠が帰ってきたら走ってくるのに……」
真理子が心配そうな顔をする。
階段の途中で心苦しそうな顔をしなが会話を聞いているハル。
愛瑠(本当はすぐそこにいるんだけどね……)
愛瑠「……分かった。見てくるね。多分いると思うよ」
○愛瑠の家・愛瑠の部屋(夕方)
愛瑠(どうしよう……いっそ全部ママに話す? いや無理無理)
ハル「俺、真理子ママに本当のこと話してくる」
と、部屋を出ようとする。
愛瑠「ちょっと待って! こんなマンガみたいな話いきなりしても信じてもらえないよ!」
ハル「でも、あんなに心配してるくれてるのにほっとけない。俺にとっては真理子ママも大事な人だから」
愛瑠「ハル……」
ハルの覚悟を感じた愛瑠はそれ以上何も言えない。
その時、愛瑠の部屋をノックする音がする。
真理子の声「ねぇ、ハルいた? 入るよ」
部屋のドアがゆっくり開き始める。
愛瑠(私だけわがまま言うわけにはいかないよね)
愛瑠はハルの手を引っ張り、精一杯背伸びしてハルにキスをする。


