○愛瑠の家・愛瑠の部屋(朝)
愛瑠【ある朝目が覚めると、私は謎のイケメン男子の腕の中にいた】
ベッドの中で至近距離で見つめ合う愛瑠と謎の男。
ようやく状況を理解できた愛瑠は驚いて男をベッドから突き落としてしまう。
——ドサッ
謎の男「イテッ……酷いよ愛瑠」
愛瑠(この人誰!? なんで私の名前知ってるの!? ていうか……!)
愛瑠「服は? どうして着てないの!?」
愛瑠は裸の男を見ないように手で顔を覆う。
謎の男「あ、そうだ。ごめん犬の時は着てないからつい……」
愛瑠「ちょっと待ってて!」
愛瑠は慌てて部屋を出る。
○愛瑠の家・リビング(朝)
愛瑠「ママ! パパの新しい下着とか服ってある!?」
真理子「多分クローゼットに入ってたと思うけど……なんで……?」
真理子は愛瑠を不審な目で見る。
愛瑠「ううん! 聞いてみただけ! 全然、ホント何でもないから!」
○愛瑠の家・愛瑠の部屋(朝)
服を抱えて部屋に戻ってきた愛瑠。
愛瑠「とりあえずこれ着て!」
謎の男「ありがと愛瑠」
と、着替え始める。
愛瑠(何これ。どうなってんの! なんで私の部屋に全裸のイケメンがいるの!?)
ハル「俺の裸、そんなに見たいの? 愛瑠のエッチ」
と、からかう。
愛瑠「ちがっ……! ぼーっとしてただけ! あなたの裸なんて興味ないです見たくもないです!」
愛瑠は絶対に視界に入らないよう違う方向を見る。
愛瑠「(思い出したように)そうだ、ハル! ハルどこ!?」
愛瑠がハルを探しに部屋を出ようとすると、着替え終わった男が愛瑠の手を掴んで引き留める。
謎の男「ここにいるよ」
愛瑠「え?」
謎の男「俺がハル」
愛瑠「そんな冗談全然面白くないから!」
謎の男「ホントに俺のこと分かんない?」
愛瑠は改めて男を見る。
身長180センチほどの引き締まった体。
緩くウェーブのかかった黒髪で、肌は白く目鼻立ちがはっきりしている。
愛瑠(ちょっと癖のある黒髪とこの目……私どこかで……)
愛瑠「ハ……ル……?」
ハル「そうだよ!」
と、愛瑠を抱きしめる。
愛瑠(はぁ〜!?)
愛瑠「ちょちょちょ! 一旦落ち着いて! ね!」
愛瑠はハルを無理やり引き剥がす。
愛瑠(この人がハル!? いやいやそんなわけない)
愛瑠「犬が人間になれるわけないでしょ? からかうのもいい加減にして!」
ハル「じゃあ俺が犬に戻ったら信じてくれる?」
愛瑠「もちろん。そんなことできるわけないけど」
するとハルは愛瑠の後頭部に手を添えて顔を近づける。
愛瑠(今度はなに!?)
2人の唇が重なる直前に愛瑠がハルの口を手で覆う。
愛瑠「今何しようとした!?」
ハル「何って、キスだよ。犬に戻るの見せたら信じてくれるんでしょ?」
愛瑠「まさか、私とキスしたら犬に戻れるとか言わないよね?」
ハル「そうだよ。昨日の夜、愛瑠の口にチュッてしたら人間になれてたから」
愛瑠(何言ってんのこの人! これは夢だ、悪夢だ。絶対そうに決まってる!)
ハル「とりあえず試してみようよ」
そう言ってもう一度顔を近づけるハル。
愛瑠は慌ててハルの肩を必死に止める。
愛瑠「いやいやいや! ダメだから!」
ハル「そんなに拒絶されるとちょっと傷つくな〜」
と、しょんぼりして見せる。
愛瑠「初対面の男の人とキスするなんておかしいの! キスはね、好きな人同士がするものでしょ?」
ハル「愛瑠は俺のこと好きっていつも言ってくれてたのに。もしかしてあれ嘘だったの?」
愛瑠「それは嘘じゃない……! 好きにも色々あってね、」
ハル「『ハルみたいな男の子がいたら、絶対恋しちゃう』とも言ってたのにな〜」
愛瑠「それはっ……!」
愛瑠は顔を赤くして言葉に詰まる。
ハルは愛瑠の反応を楽しんでニヤニヤしている。
ハル「恥ずかしがってる愛瑠もカワイイよ」
と、愛瑠の頭を撫でる。
愛瑠「わ、私は認めないから! あなたは絶対ハルじゃない!」
その時部屋の外から真理子の声が聞こえる。
真理子「愛瑠ー? 時間大丈夫なのー?」
愛瑠「ヤバ! そうだったー!」
と、慌てて準備を進める。
ハル「愛瑠どこか行くの?」
愛瑠「そう、どこか行くの。なんで私の部屋にいたのか事情聴取は後でたっぷりするから、私が帰ってくるまで絶対にこの部屋から出ないでね」
ハル「俺も行く」
愛瑠「絶対ダメ!」
愛瑠がまるでハルを相手にしないため、不満げなハル。
ドレッサーの前で桜の花びらのイヤリングをつける愛瑠を後ろから抱きしめて、
ハル「用事って俺といるより楽しいの?」
愛瑠「(顔を赤くして)ちょっと……! はーなーしてー!」
愛瑠は抜け出そうとするが、力の差が大きくてびくととしない。
腕の中で必死にもぞもぞする愛瑠が可愛いくて仕方ないハル。
愛瑠の反応を楽しみ始める。
ハル「ねぇ教えてよ、愛瑠」
と、愛瑠の耳元で囁く。
愛瑠(絶対私のことからかってる! こんな人がハルなわけないけど、もし、ハルだとしたら……!)
愛瑠はニヤッとして、ハルの脇腹をくすぐって反撃に出る。
するとすぐにハルの腕は離れる。
ハル「ちょっ……愛瑠そこはダメだって……!」
と、くすぐったそうに座り込む。
愛瑠「(ドヤ顔で)ハルのことならなんでも知ってるんだから! どうせ全部私の夢なんだろうけど!」
愛瑠はバッグを持って部屋を出て行く。
ハル「夢じゃないんだけどな……」
その時、桜の花びらのイヤリングが片方ドレッサーの上に残っていることに気づく。
ハル「これって……」
○カラオケ・個室
愛瑠たち男女8人が歌ったり喋ったりしている。
愛瑠は端の方でジュースを飲んでいる。
愛瑠(夢の中なのにすごい疲労感……)
チャラ男「めーるーちゃんっ! ちゃんと楽しんでる?」
男の1人が愛瑠のすぐ隣に座ってくる。
愛瑠「は、はい……」
愛瑠は苦笑いしながらさりげなく間隔を空ける。
愛瑠(この先輩なんでこんな近づいてくんの……)
チャラ男「あ、可愛いピアスしてるね」
チャラ男が愛瑠の耳元で揺れる桜に気づいて髪に触れる。
愛瑠「これピアスじゃなくてイヤリングなんで……!?」
愛瑠が自分で反対側の耳を触ると、ついているはずのイヤリングがついていない。
愛瑠(ウソ、なんで……? つけてきたよね? どこかで落とした!?)
チャラ男「どうかした?」
愛瑠「(不安げな顔で)すみません、私ちょっと出ます!」
愛瑠は個室を出て行く。
廊下を探したり、受付でも聞くが、イヤリングは見つからない。
愛瑠(どうしよう、どこにもない……来る途中に落としてきたのかな……)
チャラ男「あ、こんなとこにいたー! どうしたの急に」
と、走ってくる。
愛瑠「イヤリング、落としちゃったみたいで……」
チャラ男「さっきあっちで見たかも!」
愛瑠「ほんとですか!?」
チャラ男「うん! こっち!」
チャラ男に手を引かれて誰もいない個室の中に連れて来られる愛瑠。
愛瑠「私こんな所行ってないですけど……」
と、不審に思う。
チャラ男「あ〜やっと2人きりになれた」
愛瑠「イヤリング見たって嘘だったんですか?」
チャラ男「嘘ではないよ。ホントに見た気がしたもん」
ジリジリと迫られて、ついに壁まで追い詰められた愛瑠。
愛瑠「……大声出しますよ」
チャラ男「いいけど、ここカラオケだよ?」
愛瑠(そうだ……叫んでも多分、聞こえない……どうしよう)
愛瑠【ある朝目が覚めると、私は謎のイケメン男子の腕の中にいた】
ベッドの中で至近距離で見つめ合う愛瑠と謎の男。
ようやく状況を理解できた愛瑠は驚いて男をベッドから突き落としてしまう。
——ドサッ
謎の男「イテッ……酷いよ愛瑠」
愛瑠(この人誰!? なんで私の名前知ってるの!? ていうか……!)
愛瑠「服は? どうして着てないの!?」
愛瑠は裸の男を見ないように手で顔を覆う。
謎の男「あ、そうだ。ごめん犬の時は着てないからつい……」
愛瑠「ちょっと待ってて!」
愛瑠は慌てて部屋を出る。
○愛瑠の家・リビング(朝)
愛瑠「ママ! パパの新しい下着とか服ってある!?」
真理子「多分クローゼットに入ってたと思うけど……なんで……?」
真理子は愛瑠を不審な目で見る。
愛瑠「ううん! 聞いてみただけ! 全然、ホント何でもないから!」
○愛瑠の家・愛瑠の部屋(朝)
服を抱えて部屋に戻ってきた愛瑠。
愛瑠「とりあえずこれ着て!」
謎の男「ありがと愛瑠」
と、着替え始める。
愛瑠(何これ。どうなってんの! なんで私の部屋に全裸のイケメンがいるの!?)
ハル「俺の裸、そんなに見たいの? 愛瑠のエッチ」
と、からかう。
愛瑠「ちがっ……! ぼーっとしてただけ! あなたの裸なんて興味ないです見たくもないです!」
愛瑠は絶対に視界に入らないよう違う方向を見る。
愛瑠「(思い出したように)そうだ、ハル! ハルどこ!?」
愛瑠がハルを探しに部屋を出ようとすると、着替え終わった男が愛瑠の手を掴んで引き留める。
謎の男「ここにいるよ」
愛瑠「え?」
謎の男「俺がハル」
愛瑠「そんな冗談全然面白くないから!」
謎の男「ホントに俺のこと分かんない?」
愛瑠は改めて男を見る。
身長180センチほどの引き締まった体。
緩くウェーブのかかった黒髪で、肌は白く目鼻立ちがはっきりしている。
愛瑠(ちょっと癖のある黒髪とこの目……私どこかで……)
愛瑠「ハ……ル……?」
ハル「そうだよ!」
と、愛瑠を抱きしめる。
愛瑠(はぁ〜!?)
愛瑠「ちょちょちょ! 一旦落ち着いて! ね!」
愛瑠はハルを無理やり引き剥がす。
愛瑠(この人がハル!? いやいやそんなわけない)
愛瑠「犬が人間になれるわけないでしょ? からかうのもいい加減にして!」
ハル「じゃあ俺が犬に戻ったら信じてくれる?」
愛瑠「もちろん。そんなことできるわけないけど」
するとハルは愛瑠の後頭部に手を添えて顔を近づける。
愛瑠(今度はなに!?)
2人の唇が重なる直前に愛瑠がハルの口を手で覆う。
愛瑠「今何しようとした!?」
ハル「何って、キスだよ。犬に戻るの見せたら信じてくれるんでしょ?」
愛瑠「まさか、私とキスしたら犬に戻れるとか言わないよね?」
ハル「そうだよ。昨日の夜、愛瑠の口にチュッてしたら人間になれてたから」
愛瑠(何言ってんのこの人! これは夢だ、悪夢だ。絶対そうに決まってる!)
ハル「とりあえず試してみようよ」
そう言ってもう一度顔を近づけるハル。
愛瑠は慌ててハルの肩を必死に止める。
愛瑠「いやいやいや! ダメだから!」
ハル「そんなに拒絶されるとちょっと傷つくな〜」
と、しょんぼりして見せる。
愛瑠「初対面の男の人とキスするなんておかしいの! キスはね、好きな人同士がするものでしょ?」
ハル「愛瑠は俺のこと好きっていつも言ってくれてたのに。もしかしてあれ嘘だったの?」
愛瑠「それは嘘じゃない……! 好きにも色々あってね、」
ハル「『ハルみたいな男の子がいたら、絶対恋しちゃう』とも言ってたのにな〜」
愛瑠「それはっ……!」
愛瑠は顔を赤くして言葉に詰まる。
ハルは愛瑠の反応を楽しんでニヤニヤしている。
ハル「恥ずかしがってる愛瑠もカワイイよ」
と、愛瑠の頭を撫でる。
愛瑠「わ、私は認めないから! あなたは絶対ハルじゃない!」
その時部屋の外から真理子の声が聞こえる。
真理子「愛瑠ー? 時間大丈夫なのー?」
愛瑠「ヤバ! そうだったー!」
と、慌てて準備を進める。
ハル「愛瑠どこか行くの?」
愛瑠「そう、どこか行くの。なんで私の部屋にいたのか事情聴取は後でたっぷりするから、私が帰ってくるまで絶対にこの部屋から出ないでね」
ハル「俺も行く」
愛瑠「絶対ダメ!」
愛瑠がまるでハルを相手にしないため、不満げなハル。
ドレッサーの前で桜の花びらのイヤリングをつける愛瑠を後ろから抱きしめて、
ハル「用事って俺といるより楽しいの?」
愛瑠「(顔を赤くして)ちょっと……! はーなーしてー!」
愛瑠は抜け出そうとするが、力の差が大きくてびくととしない。
腕の中で必死にもぞもぞする愛瑠が可愛いくて仕方ないハル。
愛瑠の反応を楽しみ始める。
ハル「ねぇ教えてよ、愛瑠」
と、愛瑠の耳元で囁く。
愛瑠(絶対私のことからかってる! こんな人がハルなわけないけど、もし、ハルだとしたら……!)
愛瑠はニヤッとして、ハルの脇腹をくすぐって反撃に出る。
するとすぐにハルの腕は離れる。
ハル「ちょっ……愛瑠そこはダメだって……!」
と、くすぐったそうに座り込む。
愛瑠「(ドヤ顔で)ハルのことならなんでも知ってるんだから! どうせ全部私の夢なんだろうけど!」
愛瑠はバッグを持って部屋を出て行く。
ハル「夢じゃないんだけどな……」
その時、桜の花びらのイヤリングが片方ドレッサーの上に残っていることに気づく。
ハル「これって……」
○カラオケ・個室
愛瑠たち男女8人が歌ったり喋ったりしている。
愛瑠は端の方でジュースを飲んでいる。
愛瑠(夢の中なのにすごい疲労感……)
チャラ男「めーるーちゃんっ! ちゃんと楽しんでる?」
男の1人が愛瑠のすぐ隣に座ってくる。
愛瑠「は、はい……」
愛瑠は苦笑いしながらさりげなく間隔を空ける。
愛瑠(この先輩なんでこんな近づいてくんの……)
チャラ男「あ、可愛いピアスしてるね」
チャラ男が愛瑠の耳元で揺れる桜に気づいて髪に触れる。
愛瑠「これピアスじゃなくてイヤリングなんで……!?」
愛瑠が自分で反対側の耳を触ると、ついているはずのイヤリングがついていない。
愛瑠(ウソ、なんで……? つけてきたよね? どこかで落とした!?)
チャラ男「どうかした?」
愛瑠「(不安げな顔で)すみません、私ちょっと出ます!」
愛瑠は個室を出て行く。
廊下を探したり、受付でも聞くが、イヤリングは見つからない。
愛瑠(どうしよう、どこにもない……来る途中に落としてきたのかな……)
チャラ男「あ、こんなとこにいたー! どうしたの急に」
と、走ってくる。
愛瑠「イヤリング、落としちゃったみたいで……」
チャラ男「さっきあっちで見たかも!」
愛瑠「ほんとですか!?」
チャラ男「うん! こっち!」
チャラ男に手を引かれて誰もいない個室の中に連れて来られる愛瑠。
愛瑠「私こんな所行ってないですけど……」
と、不審に思う。
チャラ男「あ〜やっと2人きりになれた」
愛瑠「イヤリング見たって嘘だったんですか?」
チャラ男「嘘ではないよ。ホントに見た気がしたもん」
ジリジリと迫られて、ついに壁まで追い詰められた愛瑠。
愛瑠「……大声出しますよ」
チャラ男「いいけど、ここカラオケだよ?」
愛瑠(そうだ……叫んでも多分、聞こえない……どうしよう)


