○(回想)公園・芝生
レジャーシートの上で休憩している愛瑠と、その膝の上で犬が丸まっている。
・泉愛瑠(5):セミロングの黒髪にくりっとした目。人形のような可愛らしい女の子。
・犬:ボーダーコリーの子犬。白と黒の毛並み。
・泉真理子(30):愛瑠の母。
真理子「愛瑠。ワンちゃんの名前は決めたの?」
愛瑠「まだ決めてない……」
真理子「ワンちゃんも早く名前呼んで欲しいんじゃない?」
愛瑠「そうだよね……ねぇ、どんな名前がいい?」
と、犬に話しかけるが、犬は小さくあくびをして心地良さそうに眠る。
その時、風に運ばれて桜の花びらが犬の鼻にちょこんと乗る。
犬がくしゃみをして花びらがまた舞い上がり、再び犬の鼻に乗る。
その様子を見てクスッと笑う愛瑠。
愛瑠「決めた! あなたの名前はハル。春が似合うからハル!」
名前を呼ばれた瞬間、耳がピクリと動いて嬉しそうにクルクル回るハル。
愛瑠「ハルって気に入った?」
ハル「アンッ!」
ハルはフリスビーを咥えて、尻尾を振りながら愛瑠を見つめる。
愛瑠「ハル、走りたい?」
リク「アンアンッ!」
愛瑠「じゃあ行くよ。それーっ!」
愛瑠が投げたフリスビーを追いかけるハル。
愛瑠もハルを追って走り出すが、途中で転んでしまう。
愛瑠「うわっ!」
ハル「!」
フリスビーを追いかけていたハルが足を止めて愛瑠の元に走ってくる。
愛瑠「イッタぁ……」
ハル「(心配そうに)クゥン……」
と、愛瑠に寄り添う。
愛瑠「もしかして私が転んだから戻ってきてくれたの?」
ハル「アンッ!」
愛瑠「ありがとうー! ハルは優しいね」
と、ハルを撫でる。
ハル「(嬉しそうに)アンッ!」
と、愛瑠の頬をペロペロ舐める。
愛瑠「ハルくすぐったいよ〜」
と、笑う。
真理子「愛瑠、ハル、こっち向いて〜」
と、カメラを構える。
愛瑠「ハル、ほらあそこ見て」
と、ハルを抱っこする。
母「はいチーズ!」
シャッターの音ともに、顔を寄せ合い満面の笑顔の愛瑠とハルの写真が撮れる。
(回想終わり)
○愛瑠の家・愛瑠の部屋(朝)
部屋の壁には愛瑠とハルの写真がたくさん貼られている。
ベッドで眠る愛瑠(17)の所にハルがやって来て愛瑠の頬を舐める。
ハルはすっかり成犬になっている。
愛瑠「んー……ハルおはよ」
ハル「ワンッ!」
ハルはリードを咥えている。
愛瑠「はいはい。準備するから〝マテ〟だよ」
ハルは床で背筋を伸ばしてお座りの姿勢になる。
愛瑠「いい子いい子」
愛瑠は起き上がってハルの頭を撫でてから着替え始める。
愛瑠【私とハルの出会いは今から12年ほど前。公園でぐったりと倒れていた子犬のハルを私が見つけたのが最初。すぐに動物病院に連れて行って、2、3日もするとハルはすっかり元気になった。パパとママはハルを保護施設に連れて行こうと思っていたらしいけど、私とハルが一緒にスヤスヤと寝ている姿を見て、うちで一緒に暮らすことに決めたらしい。もちろん私は最初からそのつもりだったんだけどね】
○川沿いの道(朝)
愛瑠とリードに繋がれたハルがランニング。
愛瑠【私たちの1日はランニングから始まる】
向こうから老婦人がウォーキングをしながらやってくる。
老婦人「おはよう愛瑠ちゃん。毎日偉いねぇ」
愛瑠「おはようございます!」
老婦人はしゃがんでハルにも挨拶する。
老婦人「おはようハルくん」
老婦人が手を出すとハルは尻尾を振りながらお手をする。
老婦人「いい子だねぇ。気をつけて行くんだよ。愛瑠ちゃんをちゃんと守ってあげてね」
と、ハルの頭を撫でる。
ハル「ワンッ!」
愛瑠「行って来ます!」
愛瑠とハルは再び走り出す。
愛瑠【私とハルは何をするにも、どこへ行くにもいつも一緒。言葉で会話はできないのに、お互いの考えが不思議と分かってしまう、親友のような、幼馴染みたいな存在】
○街中・曲がり角
愛瑠たちが曲がり角に差し掛かったところで自転車が曲がろうとしてくる。
ハルが自転車に気づいて、リードを引っ張り愛瑠を止める。
自転車も急停止して愛瑠と自転車は衝突せずに済む。
自転車の人「すみません! 大丈夫ですか!?」
愛瑠「大丈夫です! こちらこそすみません」
自転車が行ってから、ハルが愛瑠を注意するように唸る。
ハル「グゥ〜」
愛瑠「ごめん、ちょっと考え事してた。ありがとねハル」
と、撫でる。
愛瑠【私なんかよりよっぽどしっかりしたハルにいつも助けられている】
愛瑠がスマホを見ると7:10の表示。
愛瑠「ヤバっ、もうこんな時間! ハル急ぐよ!」
ハル「ワンッ!」
愛瑠とハルが走り出す。
○愛瑠の家・玄関(朝)
制服に着替えた愛瑠がバタバタと玄関に来て靴を履こうとするが、ローファーが片方しかない。
愛瑠「私の靴隠したのはだーれ?」
と、ハルの顔を見る。
愛瑠【基本的にハルはいつもお利口だけど、私が学校に行く時はいつも私の靴を片方隠すイタズラをする】
しかしハルは知らんぷりする。
愛瑠「靴が見つからないといつまでも学校に行けないな〜。学校に行くのが遅くなると、帰ってくるのも遅くなっちゃうな〜」
愛瑠の言葉を聞いてハルが慌てて走って行く。
そして愛瑠のもう片方の靴を咥えてすぐに戻って来て、申し訳なさそうに差し出す。
ハル「クゥン……」
愛瑠(今日こそはちゃんと怒らないと、怒らないと……!)
愛瑠「ちゃんとごめんなさいできてハルは偉いねぇ!! 学校終わったらすぐ帰ってくるからねぇ!」
と、ハルを撫で回す。
思考と真逆の行動をする愛瑠に呆れる愛瑠の母・真理子(42)
真理子「親バカはその辺にして。本当に遅刻するわよー!」
愛瑠「そうだった! ママ、ハル行ってきます!」
真理子「行ってらっしゃーい」
ハル「ワンワンッ!」
○高校・教室(朝)
愛瑠「おはよー!」
陽菜「おはよう愛瑠」
麗「おはー!」
エリ「おはよ!」
愛瑠が自分の席に着くと、仲良しグループの陽菜、麗、エリたちが愛瑠の席の周りに座ってガールズトーク中。
川越陽菜(17):ショートヘアのスポーツ少女。クールビューティー。
三ツ橋麗(17):真面目なしっかり者。知的美人。
新井エリ(17):明るい髪色で、グループの中で一番大人っぽい。
愛瑠「ねぇ、なんの話?」
陽菜「エリがこの前先輩と初デートだったんだって」
麗「いいな〜私も彼氏ほしー!」
愛瑠「そうなんだ! 写真見たいな」
エリ「いいよ〜」
と、スマホで写真を見せる。
カフェで撮った写真。
愛瑠は写真の場所に見覚えがある。
愛瑠「ここ! 私もこの前ハルと行った!」
麗「は!? 誰それ男!?」
エリ「聞いてないよ愛瑠!」
陽菜「写真は!?」
3人は前のめりになる。
愛瑠「あるよ〜」
愛瑠は嬉しそうにカフェでハルと自撮りした写真を見せる。
麗「・・・ハルって、こっちかーい!」
エリ「なんだ〜男かと思ったじゃん!」
愛瑠「え、ごめん!」
陽菜「ほんと愛瑠はハルくんラブだね。ハルくんも愛瑠のこと大好きだし」
愛瑠「えへへ。いい写真でしょ?」
麗「いやね、確かにハルくんは可愛いよ。可愛いし賢いし、超いいコ。だけどね愛瑠。ハルくんは犬なんだから! そろそろ犬離れして、ちゃんと人間を見ないと!」
エリ「そうだよ! 華のJKなんだから、今のうちにたくさん恋しないと! 後から後悔するよ」
愛瑠「でも私、恋愛とか縁ないし……」
エリ「よし、じゃあ今度の土曜日合コンしよ合コン!」
陽菜「イェーイ!」
麗「でもエリカレ怒るんじゃない?」
エリ「大丈夫。うちはそこらへんフリーなカップルだから」
麗「おぉ〜! なんかオトナだ」
愛瑠(ちょっと待って、私合コンなんて初めてなんだけだ!?)
○愛瑠の家・愛瑠の部屋(夜)
ベッドの上にはクローゼットから出した服が山になっている。
全身鏡の前で服を合わせる愛瑠を不思議そうに見るハル。
愛瑠「ねぇハル。合コンってどんな服着ればいいと思う?」
ハルは首を傾げる。
愛瑠「みんなすごいんだよ。彼氏がいたり、気になる人がいたり。それに比べて私は……」
愛瑠がベッドの上にダイブするとハルも隣にくる。
愛瑠「私にもいつか好きな人とかできるのかな……?」
ハル「クゥーン」
ハルが「僕は?」と言うように鳴く。
愛瑠「もちろん、ハルのことは大好きだよー!」
愛瑠はハルのことを抱きしめる。
愛瑠「(眠そうに)もしハルみたいな男の子がいたら、私も絶対恋しちゃうのに……」
愛瑠はハルを抱きしめたまま寝落ちする。
ハルは愛瑠の口元をペロッと舐めて一緒に眠る。
○愛瑠の家・愛瑠の部屋(翌朝)
愛瑠「んー……ハル?」
知らない男の腕の中で目を覚ます愛瑠。
緩くウェーブのかかった黒髪で、肌は白く目鼻立ちがはっきりしている。
愛瑠が固まっていると、男も目を覚ます。
愛瑠(うわ、イケメン……)
謎の男「おはよう、愛瑠」
謎の男が愛瑠を抱きしめて、男の胸元に愛瑠の顔が密着する。
愛瑠「お、おはよう……?」
愛瑠(じゃ、なーーい! 一体どうなってんの——!?)
レジャーシートの上で休憩している愛瑠と、その膝の上で犬が丸まっている。
・泉愛瑠(5):セミロングの黒髪にくりっとした目。人形のような可愛らしい女の子。
・犬:ボーダーコリーの子犬。白と黒の毛並み。
・泉真理子(30):愛瑠の母。
真理子「愛瑠。ワンちゃんの名前は決めたの?」
愛瑠「まだ決めてない……」
真理子「ワンちゃんも早く名前呼んで欲しいんじゃない?」
愛瑠「そうだよね……ねぇ、どんな名前がいい?」
と、犬に話しかけるが、犬は小さくあくびをして心地良さそうに眠る。
その時、風に運ばれて桜の花びらが犬の鼻にちょこんと乗る。
犬がくしゃみをして花びらがまた舞い上がり、再び犬の鼻に乗る。
その様子を見てクスッと笑う愛瑠。
愛瑠「決めた! あなたの名前はハル。春が似合うからハル!」
名前を呼ばれた瞬間、耳がピクリと動いて嬉しそうにクルクル回るハル。
愛瑠「ハルって気に入った?」
ハル「アンッ!」
ハルはフリスビーを咥えて、尻尾を振りながら愛瑠を見つめる。
愛瑠「ハル、走りたい?」
リク「アンアンッ!」
愛瑠「じゃあ行くよ。それーっ!」
愛瑠が投げたフリスビーを追いかけるハル。
愛瑠もハルを追って走り出すが、途中で転んでしまう。
愛瑠「うわっ!」
ハル「!」
フリスビーを追いかけていたハルが足を止めて愛瑠の元に走ってくる。
愛瑠「イッタぁ……」
ハル「(心配そうに)クゥン……」
と、愛瑠に寄り添う。
愛瑠「もしかして私が転んだから戻ってきてくれたの?」
ハル「アンッ!」
愛瑠「ありがとうー! ハルは優しいね」
と、ハルを撫でる。
ハル「(嬉しそうに)アンッ!」
と、愛瑠の頬をペロペロ舐める。
愛瑠「ハルくすぐったいよ〜」
と、笑う。
真理子「愛瑠、ハル、こっち向いて〜」
と、カメラを構える。
愛瑠「ハル、ほらあそこ見て」
と、ハルを抱っこする。
母「はいチーズ!」
シャッターの音ともに、顔を寄せ合い満面の笑顔の愛瑠とハルの写真が撮れる。
(回想終わり)
○愛瑠の家・愛瑠の部屋(朝)
部屋の壁には愛瑠とハルの写真がたくさん貼られている。
ベッドで眠る愛瑠(17)の所にハルがやって来て愛瑠の頬を舐める。
ハルはすっかり成犬になっている。
愛瑠「んー……ハルおはよ」
ハル「ワンッ!」
ハルはリードを咥えている。
愛瑠「はいはい。準備するから〝マテ〟だよ」
ハルは床で背筋を伸ばしてお座りの姿勢になる。
愛瑠「いい子いい子」
愛瑠は起き上がってハルの頭を撫でてから着替え始める。
愛瑠【私とハルの出会いは今から12年ほど前。公園でぐったりと倒れていた子犬のハルを私が見つけたのが最初。すぐに動物病院に連れて行って、2、3日もするとハルはすっかり元気になった。パパとママはハルを保護施設に連れて行こうと思っていたらしいけど、私とハルが一緒にスヤスヤと寝ている姿を見て、うちで一緒に暮らすことに決めたらしい。もちろん私は最初からそのつもりだったんだけどね】
○川沿いの道(朝)
愛瑠とリードに繋がれたハルがランニング。
愛瑠【私たちの1日はランニングから始まる】
向こうから老婦人がウォーキングをしながらやってくる。
老婦人「おはよう愛瑠ちゃん。毎日偉いねぇ」
愛瑠「おはようございます!」
老婦人はしゃがんでハルにも挨拶する。
老婦人「おはようハルくん」
老婦人が手を出すとハルは尻尾を振りながらお手をする。
老婦人「いい子だねぇ。気をつけて行くんだよ。愛瑠ちゃんをちゃんと守ってあげてね」
と、ハルの頭を撫でる。
ハル「ワンッ!」
愛瑠「行って来ます!」
愛瑠とハルは再び走り出す。
愛瑠【私とハルは何をするにも、どこへ行くにもいつも一緒。言葉で会話はできないのに、お互いの考えが不思議と分かってしまう、親友のような、幼馴染みたいな存在】
○街中・曲がり角
愛瑠たちが曲がり角に差し掛かったところで自転車が曲がろうとしてくる。
ハルが自転車に気づいて、リードを引っ張り愛瑠を止める。
自転車も急停止して愛瑠と自転車は衝突せずに済む。
自転車の人「すみません! 大丈夫ですか!?」
愛瑠「大丈夫です! こちらこそすみません」
自転車が行ってから、ハルが愛瑠を注意するように唸る。
ハル「グゥ〜」
愛瑠「ごめん、ちょっと考え事してた。ありがとねハル」
と、撫でる。
愛瑠【私なんかよりよっぽどしっかりしたハルにいつも助けられている】
愛瑠がスマホを見ると7:10の表示。
愛瑠「ヤバっ、もうこんな時間! ハル急ぐよ!」
ハル「ワンッ!」
愛瑠とハルが走り出す。
○愛瑠の家・玄関(朝)
制服に着替えた愛瑠がバタバタと玄関に来て靴を履こうとするが、ローファーが片方しかない。
愛瑠「私の靴隠したのはだーれ?」
と、ハルの顔を見る。
愛瑠【基本的にハルはいつもお利口だけど、私が学校に行く時はいつも私の靴を片方隠すイタズラをする】
しかしハルは知らんぷりする。
愛瑠「靴が見つからないといつまでも学校に行けないな〜。学校に行くのが遅くなると、帰ってくるのも遅くなっちゃうな〜」
愛瑠の言葉を聞いてハルが慌てて走って行く。
そして愛瑠のもう片方の靴を咥えてすぐに戻って来て、申し訳なさそうに差し出す。
ハル「クゥン……」
愛瑠(今日こそはちゃんと怒らないと、怒らないと……!)
愛瑠「ちゃんとごめんなさいできてハルは偉いねぇ!! 学校終わったらすぐ帰ってくるからねぇ!」
と、ハルを撫で回す。
思考と真逆の行動をする愛瑠に呆れる愛瑠の母・真理子(42)
真理子「親バカはその辺にして。本当に遅刻するわよー!」
愛瑠「そうだった! ママ、ハル行ってきます!」
真理子「行ってらっしゃーい」
ハル「ワンワンッ!」
○高校・教室(朝)
愛瑠「おはよー!」
陽菜「おはよう愛瑠」
麗「おはー!」
エリ「おはよ!」
愛瑠が自分の席に着くと、仲良しグループの陽菜、麗、エリたちが愛瑠の席の周りに座ってガールズトーク中。
川越陽菜(17):ショートヘアのスポーツ少女。クールビューティー。
三ツ橋麗(17):真面目なしっかり者。知的美人。
新井エリ(17):明るい髪色で、グループの中で一番大人っぽい。
愛瑠「ねぇ、なんの話?」
陽菜「エリがこの前先輩と初デートだったんだって」
麗「いいな〜私も彼氏ほしー!」
愛瑠「そうなんだ! 写真見たいな」
エリ「いいよ〜」
と、スマホで写真を見せる。
カフェで撮った写真。
愛瑠は写真の場所に見覚えがある。
愛瑠「ここ! 私もこの前ハルと行った!」
麗「は!? 誰それ男!?」
エリ「聞いてないよ愛瑠!」
陽菜「写真は!?」
3人は前のめりになる。
愛瑠「あるよ〜」
愛瑠は嬉しそうにカフェでハルと自撮りした写真を見せる。
麗「・・・ハルって、こっちかーい!」
エリ「なんだ〜男かと思ったじゃん!」
愛瑠「え、ごめん!」
陽菜「ほんと愛瑠はハルくんラブだね。ハルくんも愛瑠のこと大好きだし」
愛瑠「えへへ。いい写真でしょ?」
麗「いやね、確かにハルくんは可愛いよ。可愛いし賢いし、超いいコ。だけどね愛瑠。ハルくんは犬なんだから! そろそろ犬離れして、ちゃんと人間を見ないと!」
エリ「そうだよ! 華のJKなんだから、今のうちにたくさん恋しないと! 後から後悔するよ」
愛瑠「でも私、恋愛とか縁ないし……」
エリ「よし、じゃあ今度の土曜日合コンしよ合コン!」
陽菜「イェーイ!」
麗「でもエリカレ怒るんじゃない?」
エリ「大丈夫。うちはそこらへんフリーなカップルだから」
麗「おぉ〜! なんかオトナだ」
愛瑠(ちょっと待って、私合コンなんて初めてなんだけだ!?)
○愛瑠の家・愛瑠の部屋(夜)
ベッドの上にはクローゼットから出した服が山になっている。
全身鏡の前で服を合わせる愛瑠を不思議そうに見るハル。
愛瑠「ねぇハル。合コンってどんな服着ればいいと思う?」
ハルは首を傾げる。
愛瑠「みんなすごいんだよ。彼氏がいたり、気になる人がいたり。それに比べて私は……」
愛瑠がベッドの上にダイブするとハルも隣にくる。
愛瑠「私にもいつか好きな人とかできるのかな……?」
ハル「クゥーン」
ハルが「僕は?」と言うように鳴く。
愛瑠「もちろん、ハルのことは大好きだよー!」
愛瑠はハルのことを抱きしめる。
愛瑠「(眠そうに)もしハルみたいな男の子がいたら、私も絶対恋しちゃうのに……」
愛瑠はハルを抱きしめたまま寝落ちする。
ハルは愛瑠の口元をペロッと舐めて一緒に眠る。
○愛瑠の家・愛瑠の部屋(翌朝)
愛瑠「んー……ハル?」
知らない男の腕の中で目を覚ます愛瑠。
緩くウェーブのかかった黒髪で、肌は白く目鼻立ちがはっきりしている。
愛瑠が固まっていると、男も目を覚ます。
愛瑠(うわ、イケメン……)
謎の男「おはよう、愛瑠」
謎の男が愛瑠を抱きしめて、男の胸元に愛瑠の顔が密着する。
愛瑠「お、おはよう……?」
愛瑠(じゃ、なーーい! 一体どうなってんの——!?)


