最強総長サマは、元姫を溺愛してる

振り返りたくない…

声でわかる、後ろに誰がいるのか。


「ごめん…」


私が振り向かないから怒っていると思ったのか、謝罪の言葉を口にした翔。


「別にいい」


振り向くのも嫌なので、振り向かずに答える。

今、ほしいのは謝罪の言葉じゃない…


「言われた通り、荷物片付けたから…じゃ」


そう言って、私は翔の横を通り過ぎた。


「…思い出の物…全部捨てたんだ」


ドアに手をかけた時、翔の声が聞こえた。

けど、振り返らない…


「…さようなら…」


翔の言葉には返事せず、私は家を出た。


『今から、帰る』


そして、お兄ちゃんにメールを送信した。


『うん!買い物してるから〇〇スーパーに来てくれる?』


すぐにご機嫌な返信が帰ってきた。

ふふっ、元気だなぁ〜。