最強総長サマは、元姫を溺愛してる

〜〜〜


「箱一個…なんか少なくない…?」


絶対に箱一個では収まらないほどの量があったのに…

私は、綺麗になった部屋にちゃんと置かれたダンボールに話しかける。

不思議に思ったけど、もともと私の荷物は翔関連のものが9割だったからそれを捨てた今、私の荷物が箱一個分になるのは別におかしい話じゃない。

ちなみに、ゴミ袋4個分捨てた。

写真とか…色々…

全部見ていっていたらキリがないと思って無心で捨てたから、正直何を捨てたかは覚えていない。


「やっぱり、全部は捨てなくてもよかったのかな〜?」


もう一度ダンボールに話しかけるも、返事が返ってくるはずもない。

翔にもらったものの中には、使えるものもあった。


「はぁ…帰ろ」


早く帰って、お兄ちゃんとたくさん話そう。

留学はどうだったか、とか楽しい話…

この気分をどうにかしないと。


「春香…」


え…?

私が帰ろうとした時、後ろから名前を呼ぶ声が聞こえた。