「え、そーなん? 意外だなあおい、色男のくせにさあ! つって、実は俺もないんだけど」
「………」
また聞いてもないことを、ベラベラと喋り出す。そして“卒業”というワードから、先程の“体験”というのはやはり下ネタだったということが窺える。自分のスケベな早とちりではなかったということにまず、晴は安堵した。
「……ていうか、光理もナイんだね」
この話題をこれ以上広げるのもどうかと思ったけれど、この、見るからにチャラそうで軽い印象しか湧いてこないこの金髪男からは、とてもじゃないけれど童貞の雰囲気は醸し出されてはいない。
どちらかといえば自慢気に経験人数を語るようなタイプにさえ見える。偏見の極みである。『人は見かけによらない』とは彼のためにあるような言葉なんだなとぼんやりと思った。
「この学校エスカレーター式じゃん? んで俺、初等部からずっとここの生徒じゃん?」
「いや知らないけど……」
「すなわち、ずーっと男に囲まれて生きてきたわけ!」
「…ああ、うん……」
お構いなしにシカトしてくスタイル。
