僕だけのヒーロー

  


さて、青園学園と言えば、ひと昔前までは有名な坊ちゃん学校だった。


今でこそ不良の街と化した藍生だけれど、ここ青園学園だけはギリギリ、その風格を保っている。……本当にギリギリ。


成績が最低限必要なレベルで優秀であって、尚且つそれなりに裕福で学費さえどうにかなれば、あとは髪の毛の色や制服の着こなしまでにはとやかく言われることがない。


そういった自由な校風であることから、晴は青園学園への入学を決意した。変に素性を調べられることもないし、莫大な金を注ぎ込んだ恩恵として、無料の居住地と無料の食堂利用権限を手に入れることができた。


実のところは、こんな昔ながらの由緒正しい坊ちゃん学校ではなく、近隣の白椛(しらかば)高校という───、今、藍生で最も恐れられている学校に行きたかったのだけれど。


一人暮らしをするにはアルバイトでもしないとお金が保たないだろうし、それに青園学園自体にも、入学する目的が、ないわけでもないし───。


そういった様々な理由から総合的に判断した結果、満を持して青園学園へと入学することになったのだった。