僕だけのヒーロー

  


はい、そのまさか。



「………」


青園(あおその)学園 高等部 1年A組。


「あれっ? きみさっきの──…!」


おるーーーー!


声を大にして叫びたかったがそこはグっと堪え、晴は心の中で絶叫した。


校門前に貼り出されたクラス分け表を確認し、恐る恐る入った教室に、その男は既に登校して来ていた。


金色のさらさらヘア。今にもチャラチャラと音が鳴り出してもおかしくないほどに、その男のおちゃらけた軽さを際立たせるゴールドのピアス複数。ついでに人差し指にきらんと輝く指輪もゴールド。


改めて見てみるとやたらめったらきらきらした男だけれど、間違いなくさっきの男だ。しかも隣の席。つまりカオスだ。混沌だ。入学早々ケイオスだ。


「ええ、同じクラ、…ってか同じ学校!?」

「………」


こいつも気付いてなかったのか、と晴は呆れて溜息を漏らす。けれどすぐに、それもそうか、と考えを改める。そもそも同じ学校だと気付いていたとしたら、男子学生服どうこう以前に、無謀な愛の告白などしてこなかったはずなのだ。


なぜならここ、青園学園は、───男子校、なのだから。