恋しちゃってもいいですか?

放課後,香穂と帰りながら頭の中があの人でいっぱいだった。
「結愛,ゆーあー?」
「へ?」
香穂の声で我に帰る。
「私の話,聞いてた?」
「あーごめん。なんて言った?」
「もう!だから今日ママたちと一緒に外食しよ!ってLINE入ったから今からそこに行こって言ってたんよ。」
「あーそうなん?」
外食は普通に嬉しい。
「そう。だから今からそこに行くよ。」
「うん!」

歩きながら香穂はさっきの私の様子に勘付いたのか,
「で,なんかあったん?」
とニヤニヤしながら聞いてきた。この人無駄に感鋭いからなぁ。
「何もないよ。」
「絶対そんなことない!だって結愛,さっきまでボーッとしてたからさ!」