恋しちゃってもいいですか?

「うわぁぁ〜ごめんごめん!ほんまごめん。」
顔を赤くしながら謝ってきた。
「ううん。べつにいいよ。気にしてないし,あと可愛い寝顔も見れたし!」
と意地悪っぽく言うと恥ずかしそうに手で顔を覆い下を向いてしまった。

その日の夜,無事西宮に着いた私たちは電車から降り,駅の出口に向かった。

「じゃあまた月曜。」
さっきの出来事があったせいか,少し照れ臭そう。
「うん。きょうはありがとね。」
「あーううん全然。また俺ら2人で遊ぼ。」
「やね!」

そして5秒くらいの沈黙があった。僅か5秒だと思うけどその5秒が私にとっては結構長い。

「俺今日結愛と2人で遊べてよかった。楽しかったし!」
そう言ってニカッと笑う。伊織にそう言われてようやく熱くなくなった顔がまた熱くなる。冬の季節じゃないから誤魔化せない。

「わ,私こそ楽しかった…。」
理由もなく恥ずかしくなり私はだんだん声が小さくなる。
「ほんま?よかった!」
そして子供っぽい笑顔を見せる。なんで伊織はこんなにも優しいんやろ?
まだ離れたくないって思っちゃう。