あ、熱い。今年の夏の暑さ以上じゃない?

私こと、氷野桃菜は古典の授業中ずっとそれを考えていた。

しかもそれでいて、窓全開のカーテンなしだよ。

熱いにもほどがあるよ。同じクラスの仲がいい、大久保美紀(おおくぼみき)ちゃんは廊下側で涼しそうだし。

これでいて、一番後ろってもう私、神様に見放されたのかな。
なんて考えているうちに気づいたら古典の授業は終わっていて、もう六時限目だったから、皆結構嬉しそうに帰る準備をする。

そうだ、私も帰らなくちゃ。

適当にもらったプリントとか宿題とかノートとか教科書をバンバン詰め込んで完成させた鞄を机に置いて、帰りのホームルームをうける。

先生がなんか言ってるけど、こっそり本を読んで無視、無視。

「えー、以上です。みなさん夏の暑さにも負けず、気をつけて帰りましょう。では、礼」