摘まれない花






愛されてるんだね






「っ、」




眉間にしわを寄せる湊杜




起きるかな







「ん、」





ゆっくり目を開ける









「おはよう、朝だよ」









瞬きをして





時計を確認する








寝起きがこんなに美しい人間が



存在していいのか








「8時、、?」



わたしを抱きしめる手を離し


バッと起き上がる







「わ、わるかったな、」



抱きしめたことに対してかな、







「全然大丈夫だよ?」





「お、おれ、


こんな、ぐっすり眠れたの初めてかも」





本当にびっくりしたような顔で


パチパチと瞬きをする






「なぁ、

嫌だったら断ってくれていいんだが」






出ていけって、?










準備、しなきゃ、





「毎日お前を抱きしめて寝たい。」




毎日お前を抱きしめて寝たい、?




は、はい、?







「わ、かりました、?」








ここで断らないのは



わたしの居場所が何処にも無いから