摘まれない花

「ほら、隣」


ベッドに座り

こっちに来いと言わんばかりに

布団を手で叩いた



「うん、」


わたしは大人しく湊杜の隣に座った




「ふっ、やれば出来んじゃん」


そう言って頭を撫でられる




あったかい




「人の温もりって、

こんなあったかいんだね」





母以外に頭を撫でられることなどなかった




それに、母にだって


片手で数えられるくらいだけ、