摘まれない花

「愛菜(アイナ)おはよ」

微笑んで見つめてくる


今日も彼は外で立っていた


その顔を見てホッとした




この顔を見れるのも最後になるから。



「うんおはよう」


そう返事を返すと学校に足を向ける彼


肩を並べて歩くいつもの道



「今日もいい天気だね」

「そうだね」




こんな他愛のない会話をするのも
貴方だけだったんだよ




ちゃんとカップルに見えているだろうか



見えていたらいいな。


なんて。




今日いなくなる奴の


考えじゃないか



「昨日さ、みっくんとダベってたんだけど

そんときにでっけぇリムジンがきてさ、」




"みっくん"


私の知らない人


佑哉の大切な人





いつも楽しそうにみっくんの話をする佑哉が私は大好きだった









「ふふっ、」






「っ、?!愛菜、?


今笑った、?」



言われて気がついた






私、笑った、?