摘まれない花

お城の中にお城がある



そんなばかみたいな表現がぴったりだと思った





ついた先は



門のような扉の前




やはり、只者ではない





ミナトさんは扉を開けて


中へと入っていく





「入らないの?」




わたしなんかが、はいっていいのだろうか、




そう思うと、足が動かない






「入って」






さっきよりも少し低い声で言われる




足が震えるのを

隠して進んでいく