摘まれない花

「着いたぞ」


冷たい風が勢いよく過ぎていく感覚がなくなり、


静かな空間に男の人の声が凛と聞こえた




周りを見れば


お城のように

大きく、

綺麗で、

だけど古風で

優しく佇む


家、?


いや、本当にお城のよう、





「ここは?」




「本家」




ほ、んけ?


本家ってなんだ?



「ほら、行くぞ」


わたしの手を取り


歩いていく




裸足のわたしには、




ひんやりとして、すこしいたい、




下を見れば

足は赤く染まっていた





痛みには強いはずなのに。




優しい男の人の声に


感覚が元に戻っていってしまう、