摘まれない花

スマホのアラームが部屋に鳴り響く



「いっ、た、、」



腹部に激しい痛みを感じた


そっか、、昨日の夜蹴られたんだった、




確認すると横腹は赤黒くなっていた


日に日に増えていく痣の数



痛いな、


引っかかれる度に瘡蓋が取れて

傷が痛々しくなっていく




毎日の暴力に精神的な痛みも感じなくなったもの。




顔にできた火傷の跡をコンシーラーで隠し、


制服に着替えた



足元にある大きな痣は隠しようがないし、

ハニワで学校に登校する



殺風景な部屋




指定カバンに入っているのは


小学校の頃に与えられたえんぴつが2本

どちらも数センチほど。


可愛い鉛筆は折られ、取られ、


玄関にある靴は捨てられ、履かれ、

私のものなどない。




部屋を出て、母の部屋へ向かう




コンコンッ





「お母さん調子どう?

学校いってくるね。」




顔だけこちらへ向け、




「あら、もう、そんな時間なの、


気をつけていってらっしゃい」





言い終わったのを確認し、


静かに扉を閉める






部屋にあるローファーを持ち、



リビングに入ることなく玄関に行き、外へ出た





これが私の日課