摘まれない花

「あ、あの、

すみません、泣き止みました」



そう言うと、

「そうか。」


一言で離してくれた



ほんのりと香る煙草と香水の匂い

大きくて優しい手のひら




呑まれそうになる瞳に


筋の通った綺麗な鼻



うっとり、見惚れてしまう





「あのさ、俺の顔なんかついてる?」




へ?






「いや、ついてないですけど、、」




「ふはっ、じゃあ俺の顔見過ぎ。


とりあえず出るから、これ被って。」





ヘルメットを頭に乗せられた。




なんで、ヘルメット、



「どこに行くんで、す、、っきゃ、!?」



お、おひめさまだっこ、?!!







わたしの人生初めての


お姫様抱っこは


見知らぬイケメンでした、、