摘まれない花

「中学に入って

俺一回さ、親父と喧嘩したんだ。


組を継ぐ、継がないってな


俺は元々継ぐ気でいたんだよ。

組員の目もあるから。


でも親父は

「お前には好きに生きて欲しい

俺の代で組を終わらせる」

ってな。


ふざけてんのかって、思ったよ。


この大きな組を終わらせれば

ここで生きている組員はどうなる?


日本の政治にも関わってくるだろ?



だから、簡単にそう言う親父が許せなかった」



湊杜は、ずっと、組のことを考えて

ずっと、背負って生きてきたんだ、



「その日にさ、家出て、

お前と会った場所に行ったんだよ」


わたしと、会った場所、


「あの、夜の街、?」