敏腕システムエンジニアの優しすぎる独占欲〜誰にでも優しい彼が、私にだけ甘すぎる〜

どれほどの時間が過ぎただろうか。
涙が少しずつ落ち着き、私はそっと顔を上げた。

視線の先では柊真さんが、優しく微笑んでいた。
その微笑みが、どんな言葉よりも私を安心させる。

「茉莉、少し前、俺が言ったことを覚えてる?」

彼の口調が、ふっと軽くなる。意外な変化に、思わず戸惑う。

「少し前……? ですか?」
「時が来たら、って話。少し予定よりは早いけど、もういいんじゃない?」

その言葉を聞いた瞬間——私は思い出していた。

彼と付き合うことになった日の夜、柊真さんが私に提案した、ひとつのことを——。