敏腕システムエンジニアの優しすぎる独占欲〜誰にでも優しい彼が、私にだけ甘すぎる〜

しかし、プロジェクト成功の翌日——。

昨日の高揚感とは正反対に、私の胸には重苦しい感情が広がっていた。

朝、会社に着くと、自分のデスクに積み上げられた資料の山をぼんやりと見つめる。

これまでは、仕事に没頭することで、自分の感情をごまかしてきた。けれど、今日はどうしても、それができなかった。

ふと顔を上げると、目に入ったのは、後輩たちに囲まれ、得意げな顔を浮かべる村上さんの姿だった。

「すごいですね!」「やっぱり村上さん、頼りになります!」

周囲の賞賛の声を浴びながら、涼しい顔で微笑んでいる彼女。その姿を見た瞬間、胸の奥で冷たい何かがざわめく。

——なんで……私が頑張ったのに。

私が頑張り抜いて評価を得たプロジェクト。その手柄はすべて村上さんのものとして扱われていた。

私が何日も徹夜して資料を作り、プレゼンの内容を磨き上げ、どんな質問にも答えられるように準備していたことを、誰も見ていない——

努力のすべてが、まるでなかったことのように扱われている。湧き上がる悔しさを抑え込むので精一杯だった。