敏腕システムエンジニアの優しすぎる独占欲〜誰にでも優しい彼が、私にだけ甘すぎる〜

帰宅後、私たちはリビングでゆったりとした時間を過ごしていた。
ソファに並んで座り、今日のプレゼンの成功を振り返る。

「改めて、本当におめでとう」

藤堂さんがそう言って、ふっと私の頭に手を置いた。
大きな手が、優しく髪を撫でる。

——あ、これ……ずるい。

心の奥が、甘い期待でいっぱいになる。

「藤堂さんのおかげなんです、本当に」

素直な気持ちを伝えると、彼は静かに首を振った。

「俺は少し手伝っただけ。頑張ったのは茉莉自身だろ」
「……っ」

心臓が跳ねる。意識した途端、胸の奥がじんわりと熱くなった。

「……今、私のこと」
「茉莉、って呼ぶのダメだった？」

真っ直ぐに見つめられながら、低く囁かれる。

「えっ……」

不意打ちすぎて、言葉が詰まる。

「もう、恋人なんだし。名前で呼びたい」

そう言って、私の頬にそっと触れる指先が熱い。

——ズルい。そんなの、断るわけがない。

「……いや、嫌じゃ……ない、です」
「よかった」

安堵するように微笑む顔が近づいて、そっと唇が触れた。優しくて、じんわりと甘いキス。
指先が頬を撫でるたびに、体の奥が熱くなる。