機内食が配られると、彼は私の好物を覚えていて、「これ、好きだっただろ」と何気なくデザートをトレイに移す。
「ありがとう……」
小さく礼を言うと、柊真は穏やかに微笑んだ。そして、ふと遠くを見るような目をしながら呟く。
「茉莉」
「うん?」
「こんな風に、ただ茉莉と一緒にいる時間を、もっと早く作っておけばよかったなって思うんだ」
その言葉に、私は小さく首を横に振った。
「そんなことないよ。今、こうして一緒にいるだけで、私は十分幸せだし、この5年間も新しい経験ばかりで楽しかった」
素直な気持ちを伝えると、柊真は心底安心したように頷いた。そして、ふと私を覗き込むようにして低く囁く。
「これからは、俺がもっと幸せにする」
――もう、ずるい。
突然の甘い言葉に、顔が熱くなっていくのが分かる。
「そういうところ、ほんっと変わってないよね」
「どういうところ?」
「ずるいところ……!!」
茶化すように笑う彼に、私は頬を染めたまま軽く肩を叩いた。
飛行機は夜空を飛び続ける。
――私たちの新婚旅行。
彼と出会ったあの日は運命的だったと今でも思う。
あれから5年経った今も、隣にいる彼の存在が、心の底から愛おしくてたまらなかった。
「ありがとう……」
小さく礼を言うと、柊真は穏やかに微笑んだ。そして、ふと遠くを見るような目をしながら呟く。
「茉莉」
「うん?」
「こんな風に、ただ茉莉と一緒にいる時間を、もっと早く作っておけばよかったなって思うんだ」
その言葉に、私は小さく首を横に振った。
「そんなことないよ。今、こうして一緒にいるだけで、私は十分幸せだし、この5年間も新しい経験ばかりで楽しかった」
素直な気持ちを伝えると、柊真は心底安心したように頷いた。そして、ふと私を覗き込むようにして低く囁く。
「これからは、俺がもっと幸せにする」
――もう、ずるい。
突然の甘い言葉に、顔が熱くなっていくのが分かる。
「そういうところ、ほんっと変わってないよね」
「どういうところ?」
「ずるいところ……!!」
茶化すように笑う彼に、私は頬を染めたまま軽く肩を叩いた。
飛行機は夜空を飛び続ける。
――私たちの新婚旅行。
彼と出会ったあの日は運命的だったと今でも思う。
あれから5年経った今も、隣にいる彼の存在が、心の底から愛おしくてたまらなかった。



