敏腕システムエンジニアの優しすぎる独占欲〜誰にでも優しい彼が、私にだけ甘すぎる〜

リモート会議が終わると、私はふとした好奇心から彼のデスクを覗き込んだ。

すると、そこには——。メモ帳に、簡単なイラストが描かれていた。
私が作業をしている様子を、コミカルにデフォルメしたもの。

「え、これ……私ですか?」

驚きと困惑の入り混じった声が漏れる。すると、柊真さんがちらりとこちらを見て頷いた。

「そうだけど。似てる?」
「意外と、可愛いことするんですね……」

思わずその絵に見入っていると背後から影が落ちる。

「……ん?」

振り向く前に、腕がスッと伸びてきて——私の腰を支えるように、そっと引き寄せられた。

「ちょ、柊真さ——」

言葉を言い終わる前に、唇が塞がれる。

——え?

優しく触れるだけだったはずのキスは、ゆっくりと深くなっていって。

「……んっ……」

指先まで痺れるような感覚に襲われて、抵抗することもできなかった。やがて、そっと唇が離れていく。

「……可愛かったから、つい」

柊真さんが、低く囁くように言った。顔が、熱い。

「な、なにしてるんですか……!」
「なにって?」

ふわりと笑う彼の表情に、心臓が爆発しそうになる。

「……ずるい、です」

精一杯の抗議をすると、彼は肩をすくめた。

「今さら?そろそろ慣れてくれないと困るんだけどなー」

そう言って、私の頬にそっと触れる指先が、熱を持っている気がして、私はまた黙り込んだ。