「で、でも……このプロジェクトの引き継ぎは。あ、そうだ!藤堂さんがまとめてくださるんですよね? 確か、契約延長の打診があったって……」
村上さんの声が震えている。部長の強気な態度は、村上さんを信頼しているからこそ。
これまでの功績を全て自分のものとした報いだと思う。
そして、縋るような視線を向けられた柊真さんは、あっさりとその期待を裏切った。
「ええ、ありがたいお話でした。ですが——契約延長の件は、先日お断りしました」
「……え?」
「正式な通達は今日の予定でしたが、そうですよね、部長」
静かに村上さんに微笑む柊真さんの声が、オフィス全体に響く。村上さんの顔が青ざめた。
「ちょ、ちょっと待ってください! 藤堂さんまでいなくなるなんて……それじゃあ、このプロジェクトは……」
「何を焦っているんです?」
柊真さんは優しく微笑んでいた。
——けれど、その瞳には容赦がない。
「貴方が、企画立案から全て自身の力で作り上げたプロジェクトでしょう? その本人がいらっしゃるのに、何の問題が?」
私でさえ怖いと感じてしまう、圧倒的な圧がそこにはあった。当然、村上さんは何も言えず、ただ肩を落とす。
もう、この会社に私の心残りはない。私は、清々しい気持ちで、その姿を見つめていた。
村上さんの声が震えている。部長の強気な態度は、村上さんを信頼しているからこそ。
これまでの功績を全て自分のものとした報いだと思う。
そして、縋るような視線を向けられた柊真さんは、あっさりとその期待を裏切った。
「ええ、ありがたいお話でした。ですが——契約延長の件は、先日お断りしました」
「……え?」
「正式な通達は今日の予定でしたが、そうですよね、部長」
静かに村上さんに微笑む柊真さんの声が、オフィス全体に響く。村上さんの顔が青ざめた。
「ちょ、ちょっと待ってください! 藤堂さんまでいなくなるなんて……それじゃあ、このプロジェクトは……」
「何を焦っているんです?」
柊真さんは優しく微笑んでいた。
——けれど、その瞳には容赦がない。
「貴方が、企画立案から全て自身の力で作り上げたプロジェクトでしょう? その本人がいらっしゃるのに、何の問題が?」
私でさえ怖いと感じてしまう、圧倒的な圧がそこにはあった。当然、村上さんは何も言えず、ただ肩を落とす。
もう、この会社に私の心残りはない。私は、清々しい気持ちで、その姿を見つめていた。



