「すみません、このコンペの件でちょっとお時間いただけませんか?」
別部署の先輩である坂本さんに、恐る恐る声をかけたのは翌日の昼休みだった。
「期限が来週までって聞いてるんですが、具体的にどのようなものが求められているのか全く分からなくて……」
私の言葉を聞いた坂本さんは、少し驚いたように眉を上げた。
「え、来週? それ違うよ。コンペの締め切り、三日後だよ」
その一言が、心臓を鷲掴みにするように響いた。
思わず口を開いたまま固まる私に、坂本さんは困ったように首をかしげて、社内のカレンダーを見せてくれた。
その予定には、確かに三日後に社内コンペの予定が入れられている。
「……まさか、まだ何も手をつけてないの?」
その通りだった。分からないなりに調べてみたものの、何をどう組み立てればよいのか手が進まないまま時間が過ぎていた。
「とりあえず、今ある資料を見せてくれる? そこから方向性を考えたほうがいいかもね」
自分の資料を片付け、そう手を差し伸べてくれた坂本さんの優しさに救われる思いだった。
その日から、寝る間を惜しんで作業に没頭した。
坂本さんに助けてもらいながら、どうにか期限内にスライドを完成させた。
完成とは名ばかりの未熟なものだったが、時間が許す限り手を尽くしたのは確かだった。
別部署の先輩である坂本さんに、恐る恐る声をかけたのは翌日の昼休みだった。
「期限が来週までって聞いてるんですが、具体的にどのようなものが求められているのか全く分からなくて……」
私の言葉を聞いた坂本さんは、少し驚いたように眉を上げた。
「え、来週? それ違うよ。コンペの締め切り、三日後だよ」
その一言が、心臓を鷲掴みにするように響いた。
思わず口を開いたまま固まる私に、坂本さんは困ったように首をかしげて、社内のカレンダーを見せてくれた。
その予定には、確かに三日後に社内コンペの予定が入れられている。
「……まさか、まだ何も手をつけてないの?」
その通りだった。分からないなりに調べてみたものの、何をどう組み立てればよいのか手が進まないまま時間が過ぎていた。
「とりあえず、今ある資料を見せてくれる? そこから方向性を考えたほうがいいかもね」
自分の資料を片付け、そう手を差し伸べてくれた坂本さんの優しさに救われる思いだった。
その日から、寝る間を惜しんで作業に没頭した。
坂本さんに助けてもらいながら、どうにか期限内にスライドを完成させた。
完成とは名ばかりの未熟なものだったが、時間が許す限り手を尽くしたのは確かだった。



