今日は始業式のみで午前中に学校が終わり、さっさと家へと帰宅した。

俺の家は学校から徒歩30分。
名前と同じで俺の見た目とは全く似つかわしくない赤い屋根のメルヘンチックな一軒家で、母さんの趣味のガーデニングでほぼ年中家の周りには綺麗な花が咲いている。


「あら、カイ君おかえりなさい~」

「あぁ」

「ただいまでしょ?新しいクラスでお友達出来た?」

「…もうガキじゃねぇんだからいちいち報告しねぇよ」

「カイ君冷たい事言わないの!あと少しでお昼ご飯出来るから着替えてきてね、あと午後にお散歩行くからドーナツもお散歩用のお洋服着せてあげておいてくれる?」

「いつも言ってるけど散歩用の服いらねぇだろ」

母さんも俺とは全く似ていないし、昔からなんかふわふわしている。

あまりに似ていなくて俺は本当に母さんの子なのか何度も悩んだ事がある。


そしてドーナツというのは飼い犬のフレンチブルドッグ(♀)。


俺は文句を言いながら制服を着替えてからドーナツのいるリビングに向かった。