高嶺のぼっちはかまわれたい

「この曲いいね」

「でしょ?好きかな〜って思って」


そんなわたしの隣を同級生のカップルが通り過ぎていく。

2人の片耳と片耳を繋ぐようにして有線イヤホンつけられていて、スマホから流れる曲をいっしょに聴いていた。


めちゃくちゃ憧れる…!!

ワイヤレスイヤホンじゃなくて、あえて有線イヤホンなのがいい!


【・恋人と有線イヤホンを片耳ずつつけて、いっしょに曲を聞く】


すぐさま青春ノートに書き込んだ。


「あっ、高嶺さんだ」


わたしの視線に気づいたのか、通り過ぎたカップルが振り返った。


「相変わらず美人だね」

「ほんと、女神すぎて同じ女子とは思えないよ」

「もしかして、嫉妬した?」

「するわけないよ〜。高嶺さんは、マドンナで高嶺の花だよ?完璧すぎて、嫉妬心すら沸かないよ」


みんな、わたしのことを言いように褒めてくれる。

だけど、わたしだけ扱いが違って、だれもかまってくれない。