高嶺のぼっちはかまわれたい

「おっ、いた」


そんな声が聞こえて顔を上げると、ドアのところでジミー先輩が顔を覗かせていた。


「どうしたんですか?2年の階にくるなんてめずらしいですね」

「花いるかなーって思って見たら、本当にいた」

「なんですか、それ」


わたしは思わずクスッと笑った。


「そうだ、花。今日の夜空いてる?またあいつら、海行きたいとか言っててさ」


――“海”。


「だからまた――」

「…あの、ジミー先輩」


わたしは意を決してジミー先輩の話を遮った。

そして、きゅっと唇を噛む。


「クルーザーでの夜の海、すごく楽しかったです」

「そっか、よかった。花が楽しんでくれたのなら、今回も――」

「でも違うんです」

「…違う?」


ジミー先輩はキョトンとして首をかしげた。


ジミー先輩はわたしの憧れの青春を叶えてくれている。

わたし1人じゃ絶対に叶えることができないくらいのお金と時間をかけて。