高嶺のぼっちはかまわれたい

「…え、……え?そうですけど…」

「やっぱり〜!聞いてたとおりの美人じゃん!」

「あ、あの…、どうしてわたしの名前を――」

「とりあえず乗って乗って〜!」


と言われたけども、見ず知らずの人の車に乗り込むことなんてできるわけがない。

気を悪くさせないために笑顔で断ろうと思ったけど、イケイケのお姉さん2人も降りてきてわたしの手を握った。


「だ〜いじょうぶ、花チャン!迎えにきただけだから」

「むっ…迎えに!?」

「べつに取って食おうとかじゃないから、安心して〜」


そんなこんなで、わたしは押し込まれるようにしてワンボックスカーに乗せられて――。

…その場から連れ去られたのだった。


車内は知らないイケイケのお兄さんとお姉さんさんばかりで、わたしは緊張でガチガチ。

どこに連れて行かれるんだろうとビビっていた。


「着いたよ〜!」


運転手の入れ墨ゴリゴリお兄さんが笑顔で後部座席を振り返り、そうしてスライドドアがゆっくりと開いた。