高嶺のぼっちはかまわれたい

「ついに禁忌を…!」

「なにが禁忌だよ。案外フツーなことしか書いてねぇぞ?」


ジミー先輩にそう言われ、わたしはなんだか恥ずかしくなって顔が赤くなった。


「でもこの『夜景を見にいきたい』って、この前夜の屋上で叶ったよな?」

「たしかにあれも夜景ですけど、みんなでノリで『このあと夜景見にいこうぜ!』って話になって見にいってみたいなー…と思いまして」

「設定が細かいな」

「す、すみません…!無理なら全然いいんですけど…」


わたしがジミー先輩の顔を覗き込むと、ジミー先輩は顎に手をあててなにか考え込んでいた。


「花、今日の夜は?出られる?」

「は、はいっ。お母さん今日も夜勤なので、11時までに家に帰れば」

「わかった。じゃあ、10時までには家に帰すから6時に駅まできてくれる?」

「わかりました。なにをするんですか?」

「それは、そのときのヒミツ」


ジミー先輩は、口元に人差し指をあててニッと微笑んだ。