高嶺のぼっちはかまわれたい

「お前ら落ち着け!それはないだろ…!だって、相手はあのジミーだぞ!?」


後ろのほうから3年生のそんな話し声が聞こえ、ジミー先輩は「はぁ」と気だるげなため息をついた。


「勝手に話盛るなよなー。高嶺とはただの友達だよ」


そう言って、ジミー先輩はその3年生たちのほうを振り返る。


「とっ…、“友達”…!」

「よかった〜…と思いつつも、なんでジミーがマドンナの友達!?」

「マドンナと友達だなんて、庶民がなっていい階級じゃねぇよ…!」


3年生たちは震え上がり、なぜか後退りしていった。


「な…なんなんでしょうか、あの人たちは」

「知らね。いつもあんなんだから気にすんな」


ジミー先輩の言葉にわたしは苦笑いした。

すると、隣で「あっ」とジミー先輩の声が漏れた。


「そういえば俺、さっきから“高嶺”って呼んでたな」


ジミー先輩が気にしてくれていたのは、青春ノートに書いていたある項目についてだった。