高嶺のぼっちはかまわれたい

「…わたし、友達いないので」

「そうだったな。なんかごめん」


ジミー先輩がペコッと頭を下げる。

そのまま2人とも黙り込んでしまった。


しばらく無言で夜景を眺めていると、肩をトントンと軽くたたかれた。

顔を向けると、ふにっと頬にジミー先輩の人差し指が突き刺さる。


「もうっ、なんですか――」

「じゃあさ、俺がなってやろうか?」


ジミー先輩の言葉にわたしはキョトンとする。


「だから、俺があんたの友達1号になってやろうかって言ってんだよ」

「ええ…!?ジミー先輩が!?」

「なんだよ、嫌なのかよ」

「いえ…、そういうわけではなくて…」


“友達”なんていう響き、わたしには新鮮すぎたから…つい。


「高校生になって友達とやりたいこと、あの青春ノートにいっぱい書いてあるんだろ?」

「そ…そうですけど…」

「じゃあその青春、俺が叶えてやるよ」


そう言って、ジミー先輩はやさしく微笑んだ。