高嶺のぼっちはかまわれたい

今が暗い校舎の中でよかった。

じゃないと、真っ赤になった顔をジミー先輩に見られるところだった。


その後、ジミー先輩がわたしを連れてきたのは、今日の朝にもきた学校の屋上だった。


夜なんかにきてここになにが――と思ったら、わたしは思わず感嘆の声を漏らした。


「…すごい」


朝ここから見た街並みは、赤色や黄色や白色などのさまざまな色の光の粒を放った夜景となっていた。


「見晴らしがいいと思ってましたけど、夜になるとこんなにきれいだったなんて」

「すごいだろ?1回文化祭の準備で夜遅くまで残ったことがあって、そのときに知ったんだ」


自慢げに話すジミー先輩。


「わたし、夜景…初めてかもしれないです」

「え、マジ?」

「はい。この時間はいつも家にいるので」

「でもさ、友達とちょっと近くの夜景見に行こうぜっとかならな――」


と言いかけたジミー先輩だったけど、バツが悪そうに慌てて自分の口を両手で塞いだ。