高嶺のぼっちはかまわれたい

ジミー先輩は自慢げに微笑む。


「そういうあなたは、3年の“ジミー先輩”ですよね?」

「な〜んだ、俺のこと知ってるんだ」

「もちろんですよ。この学校で知らない人はいないと思いますよ」

「すっげー。俺、超有名人じゃん」

「褒めてはないです」


“学校一の地味男子”といわれているから、てっきりもっと根暗で話しにくい人かと思っていた。

でも実際は、意外と話しやすかった。


「てか、なんで壁ドン?からの、顎クイ?今どき、そんなことされて喜ぶやつとかいるのかな」

「中学のときに読んだマンガで、主人公の女の子が高校の教室で好きな男の子に壁ドンされて顎クイされるシーンがあったんです…!それ見て、なんかいいなって」

「あ〜、なるほどね」


ジミー先輩は、ニヤニヤと微笑みながらわたしのことを見下ろした。


「“高嶺の花”と呼ばれるほどの学校のマドンナだから、てっきり友達や男に困ってないものと思ってたけど」