高嶺のぼっちはかまわれたい

わたしは、ぎっしりと書き込まれた青春ノートのページをパラパラとめくる。


「べつに書き込まなくたって、それを実際にしたらいいだけなんじゃないの?」

「そんなの…できませんよ!『お弁当のおかずを交換し合う』、『忘れた教科書の貸し借りをする』、『自転車を2人乗り』…。これ全部、1人でできると思いますか!?」

「…いや、だから。それは友達と――」

「友達がいないから憧れなんですよ!わたし…ぼっちなんです!」


決して自慢して言えることではないのに――。

ジミー先輩の言葉に思わずムキになってしまった。


わたしが突然大声を出すものだから、ジミー先輩はキョトンとしている。

きっと、わたしがそんな声が出るような人間だとは思わなかったのだろう。


「あんた…、あれだろ?この学校のやつらがマドンナ、マドンナって言ってる――」

「…2年2組の高嶺花です」

「そうそう、“高嶺の花”。俺でも聞いたことがあるよ」